【リポート】テレワークコミュニケーション・ブラッシュアップセミナー
NPO法人ディーセントワーク・ラボとのコラボでお届けするスペシャル企画!
第3弾は「テレワークコミュニケーションセミナー」
東京のNPO法人ディーセントワーク・ラボと共催で、READYFORが助成する“新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金第4期 2回目採択助成活動”を実施中のチャレキッズ。
第一弾では、メンタルヘルス支援の取り組みとして、“音楽”と“運動”プログラム「オンライン・ダンシングエクサ」を開催。第二弾は「当事者シンポジウム コロナ後の世界とテレワークコミュニケーション 」
。
そして!第三弾は、テレワークに必要なテレワークスキル・ブラッシュアップセミナーを企画、実施させていただきました。
今回は、そのリポートをお届けいたします。
テレワークスキル・ブラッシュアップセミナーリポート
今回のセミナーでは講師にオフィス学人の森まなぶ先生をお迎えして、オンラインのコミュニケーションについて学びました。
全3回の講座は、それぞれ「ストレスとコミュニケーション」「仕事の進め方:報連相とタイムマネジメント」「伝わる文章を作成」をテーマとしてお届けしました。
ご参加くださった延べ35名(第1回:12名 第2回:8名 第3回:15名) の皆さんとともに、オンラインでのロールプレイやディスカッションを行いながら、楽しく実施させていただきました。
《 1回目 10月24日(土)10:00~11:30 》
テーマ「ストレスとコミュニケーション」
1)テレワークストレスとは
2)ストレスを理解する
3)リモートを通したコミュニケーションのポイント
4)「聴く」「伝える」を実践
《2回目 10月31日(土)10:00~11:30 》
テーマ「仕事の進め方:報連相とタイムマネジメント」1)報連相の優先順位
2)相談を最優先
3)仕事がうまく進まない理由
4)効果的な仕事の進め方を体得
《 3回目 11月7日(土)10:00~11:30 》テーマ「伝わる文章を作成」
1)思いが伝わらない文章とは
2)文章作成のポイント
3)良いメール、悪いメール
4)伝わるメールを作成してみよう:ワーク
“できているつもりが満載”のコミュニケーションスキル
3回の講座を通して気付かされたのが、「頭でわかっているつもり」、「やっている、できているつもり」になっている事柄がいかに多いか、ということです。
そして、コミュニケーションは性格でもセンスでもなく、スキルである。つまり、磨けば伸びる、改善するものである、ということです。
コミュニケーションを考える際にこのことを念頭におくことで、苦手だ、わからない、できない、と頭からできないモードになることを避けることができます。
では、実際にどんな具体的なスキルによってコミュニケーションが改善されるのでしょうか?
「ストレスとコミュニケーション」
第1回のセミナーのテーマはストレスとコミュニケーション。
コロナ禍の中、オンラインでのやり取りが増えたことで、コミュニケーション上でのストレスも増えているようです。
【動画】ストレスとコミュニケーション
・上司が部下に対して不満に思うこと:「報連相がない」「言われたことしかしない」
・部下が上司に対して不満に思うこと:「指示が不明確」「コロコロ変わる」
これらも、普段からこのような不満が生じやすいのですが、オンラインになることで、「すぐに質問できない」「相手の状況がつかみにくい」ということが重なり、よりミスコミュニケーションが増幅されてしまいます。
そうならないために
・ストレスを上手く受け止める ( 思い込みや決めつけ→事実、客観的な見方に変換 )
・共感と同感の違いを知る ( 事実で伝える、異なる意見も一度受け止める )
・聴くと伝える技術をみがく ( 傾聴の姿勢、PREPを意識した伝え方 )
などを習慣化していくことで、改善を図っていきます。
セミナーではみなさんとロールプレイも行い、相手の聞き方によっては、会話が弾む、沈むなどを体験しました。
「報連相」の優先順位は、「相」が最上位!
第2回のセミナーのテーマは「仕事の進め方:報連相とタイムマネジメント」。
先程もご紹介したミスコミュニケーションから生まれる不満の「報連相がない」「指示が不明確」などの改善を図っていきます。
ちなみに、みなさん、「報連相」とは「報告・連絡・相談」のことですが、その“優先順位”って分かりますか??
優先順位?!そんなものあるの?!と、思われたかもしれませんが、実は優先順位は「相談」が1番目。
つづいて、「連絡」→「報告」と続きます。
なぜか?
それは、相談もなく、業務や活動を行い、終わってから報告して、意図と違った内容出会った場合、やり直すのに多大なコストが掛かってしまいます。
また、相談をしていた上で連絡があることで、受け手側もその連絡に対しての回答を準備しておける可能性が高まります。
時間やコストが掛かったとしても、相談を豆に行い、仕事の内容、動き方、相手の状況をしっかり把握した上で業務を行うことで、無駄な作業やミスコミュニケーションから生まれるロスを少なくすることができる、ということなんです。
どうしても、目の前の仕事ややるべきことに取り掛かってしまい、お互いのコミュニケーションを疎かにしてしまいがちです。
ここをぐっとこらえてコミュニケーションに時間を割く、そうすることで様々な「ロス」が減らせるというわけです。
その他にも、「整理整頓」の「整理」と「整頓」の意味を知ることで、仕事を進める上でなぜ整理整頓が大切かがわかってきます。
どのお話も「目からうろこ」受講者ぜんいんが 「自分のために開かれたセミナーなのではないか、、、」「終わったら早速整理せとんしよう。。。」と口々に話していました。
【動画】仕事の進め方〜報連相とタイムマネジメント〜
「伝わる文章を作成」
オンライン上でのやり取りでは、メールやテキストでのやり取りも増えます。
皆さんは、相手のことを考えた文章作成れができていますでしょうか?
わかりやすく、かつ簡潔に、相手に行動を促すような文章です。
そのために気をつけるべきことを、テクニックとしてお伝えいただきました。
・結論から書く(PREP〈主張、理由、根拠、主張〉 )
・ポイントは3つに絞る、事実と意見を分ける
・曖昧な表現や専門用語を多用しない(利便性→◯◯の作業効率が△%向上する)
などなど、たくさんあります。
また、メールでのやり取りの中での「言葉遣い」「言葉選び」にも注意を払うことで、受け手とのコミュニケーションが改善します。
・肯定的な表現を心がける(できかねます→◯◯ですと対応できます)
・結論やポイントが見やすいよう、小見出しや箇条書きなどを使った文章構造を心がける
・期限を設けて、相手にどんな行動を取って欲しいかを明確にする
・どんな内容か分かるタイトルにする(「〇〇企画書 内容に関するご相談」)
まさに文章作成は「スキル」。心がけて工夫すると、その分伝わりやすさが増加し、ミスコミュニケーションが減っていきます。
これらは、今日から使えるテクニックですね。
【動画】伝わる文章作成
ミスコミュニケーションがあたりまえ
これは9月に行った発達障害当事者シンポジウムでの、パネリストの言葉、「ミスコミュニケーションがあたりまえ」という前提にたてば、いろんな見方が変わってきます。
伝えたことがちゃんと伝わることのほうが、稀である、と認識する。
相手の持っている情報や経験からどんなふうに変換されるか、どの部分に重きを置くかなどは、本当に千差万別。
だからこそ、仕事などの上では「伝わっているだろう」と思わずに、様々な工夫を凝らして、ミスコミュニケーションの部分を潰していく作業が必要です。
その作業は、気づける人が手を動かす、言葉を掛ける、文章を作ることで叶えられていくことです。
これが、コミュニケーションはスキルである、鍛えることができる、改善される、習慣化できる、という根拠です。
今回のセミナーでは、障がいのある方々の働き方として、「テレワーク」がより市場に求められてくることを想定し、皆さんにテレワークコミュニケーションのスキルアップを目指していただこうと企画しましたが、これは障がいのあるなしにかかわらず、多くの方が必要としているスキルと感じました。
今回のセミナー動画はすべて公開していますので、よろしければぜひご覧頂き、ご自身の中での学びとしていっていただけると光栄です。
最後に、今回の講座にご参加くださった皆さん、そして、素晴らしい講座を実施してくださった、講師の森まなぶ先生、今回の企画をご一緒させていただきました、NPO法人ディーセントワーク・ラボの皆さんに感謝申し上げます。
ぜひ、また第2段のコミュニケーション講座も企画できればと思いますので、ぜひご期待ください!