【リポート】障子はりのお仕事@寺崎畳店
日本の伝統的建具「障子貼りのお仕事体験」
今回は佐賀県基山町にある「寺崎畳店」様にお邪魔しています。
体験させていただいたのは「障子貼りのお仕事」です。
和室のあるご家庭で「障子」がまだあるご家庭は少なくなってきているかもしれません。
昔は障子の張り替えは子ども達の「障子を破る」というお仕事兼楽しみだったかと思います。
今回は、その「障子貼り」をプロの技術と共に体験していきます。
はじめにご挨拶
本日、ご案内くださる寺崎畳店の皆さんです。
子ども達のために様々なご準備を整えてくださいました。
自動的に縫い上げる畳替えの機会にびっくり
まずは工場内をご案内いただきました。
最初に見せていただきましたのは、畳の張り替えを行う大きなミシンのような機械。
新しい畳を張って、たるみを取り、大きな針と丈夫な糸で畳を縫っていきます。
「一台おいくらですか?!」という、チャレキッズからの質問に「お家1件分くらいかな?!」というお答えに子ども達全員「えええ〜〜!すごい!」と驚きの声が上がっていました(笑)
障子の張り替え作業スタート!
さて、工場内の見学が終わって、早速障子の張り替え作業に移りました。
まずは、張ってある障子をきれいに剥がしていきます。
一度水に濡らして海苔を水に馴染ませ、する〜っと剥いでいく方法です。
優しく、全体にホースで水をかけていきます。
少し待って、糊を水に馴染ませた後、優しく慎重に障子を剥がしていきます。
する〜っと剥がして行くと、とても気持ちがいい!
みんな嬉しそうです(^ ^)
障子の下地を整える
さて、次は障子の下地づくりです。
何をするかと言いますと、糊の接着面の凸凹をキレイに均して、ノリと障子がキレイに接着されるようにしていきます。
この下地づくりがとても大切なんです。
研磨は紙鑢(紙ヤスリ)を使って、糊の跡をキレイに削っていきます。
指でなぞりながら、キレイに除去できているか確認していきます。
障子の枠の木の部分も多少削りながら、枠の部分をキレイに削っていきます。
はじめて使う刷毛での糊付け
続いては、障子の枠にはけを使って糊を塗っていく作業です。
ここで使う糊は純度の高い、和製の糊だそうです。
そちらの方が高価ですが、剥がすときに水に馴染んでキレイに剥がせるとのことでした。
塗りすぎると小路がふやける、枠の外にはみ出すと枠に糊の跡が残る、そんな繊細な作業。
丁寧さが求められます。
はけを使って、チャレキッズ達も慎重に塗っていきます。
刷毛を使うことも初めての子ども達。
糊をどのように塗って伸ばせば良いか、これもコツを習得するのに時間がかかるのだそうです。
緊張の瞬間!障子の糊付け〜貼り付け〜
真新しい障子の紙のロールをセットして、よれないよう、慎重に伸ばしていきます。
広げたら、真ん中から外に広がるように広げていきます。
まずはプロの技を見学させていただきました。
次は子ども達です!
尺寸定規を使っての和紙のカット
キレイに伸ばしたら、余分な部分をカットしていきます。
これも木の枠の端からたては4分、横は3分(測っている定規は「尺寸定規」です。
センチメートルではなく、日本ならではの「尺、寸、分」で記載されています。
初めて使う定規ですが、メモリを合わせるのはセンチメートルの定規と変わりありません。
みんな真剣に定規で寸法を測っていました。
乾燥させて完成です!
最後に糊をキレイに乾燥させて完成です。
自分が手がけた障子がとてもキレイな作品になっていて、子ども達も「持って帰りたい!」とせがんでいました。
でも、ごめんなさい。これはお客様のご自宅にあった障子、リペアして元のお家に帰って行くんだよ〜。
そんなわけで、初めての障子貼りのお仕事体験を終了しました。
みんな良い笑顔で自分が貼った障子を持ってパチリ!
最後は寺崎畳店の皆さんからも労いのお言葉を頂戴しました。
1時間半の体験でしたが、みっちりとやったので、子供達にとっては楽しいばかりではなかったと思いますが、お仕事のきつさ、やりがい、楽しさを感じてもらえた体験でした。
寺崎畳店の皆様、素敵な企画をありがとうございました!