【 リポート 】12月3日(土)猟師さんのお仕事体験〜Tracks様〜
人気の猟師さんのお仕事体験
毎年、冬の時期に実施させていただいているお仕事体験の一つ、「猟師さんのお仕事」。
ご協力頂いているのは、「tracks」福岡県糸島市二丈片山1−1 糸島ジビエ工房 (株)( ホームページ:tracks tracks)さんです。
tracksは、福岡・糸島に拠点を構える猟師たちの集まりで、地元で獲れたジビエの加工や販売、飲食店の運営、イベントなどを通して山の自然と人々の営みを次世代に伝えたい――。そう願いながら日々活動をしていらっしゃいます。
そんなtracksの代表の江口さんにご指導いただき、今日もチャレキッズたちのお仕事体験がスタートです!!
お仕事体験体験のメニュー
1,施設見学
2,罠の見学
3、食肉加工体験
4、試食
です。
昨年は実際に猪が捕獲されている現場と、その止めさし
“止めさし”とは、罠でかかった獲物を電気ショックで動きをとめ、頸動脈切断(猪の喉元に刃物を差し入れ、血管を切ってとどめを刺し、血抜きをする作業)により死に至らしめることを言います。
の現場を体験させていただくことができました。
今年は残念ながら捕獲がなく、罠の説明と見学だけとなりました。昨年のブログはこちらから!
箱罠体験
箱罠は狙う獲物の大きさによってサイズが異なります。穴熊やアライグマなどの小型で力もそんなに強くない獲物を狙うのか。鹿や大型の猪などを狙うのかなどでその大きさと頑丈さが異なります。
鉄格子の箱の中に囮となる餌を入れ、猪がその餌を食べているときに引き金に触れると扉が閉まる、という仕組みです。
頑丈な鉄製の箱罠にも猪は突進してその檻を壊そうとしたりするので、頑丈なものを使用しなくてはなりません。
子どもたちも箱罠の中に入って、獲物の気分を体感しました。
頑丈な檻に少し怖さを感じたようです。
その扉も大きな猪は賢く、鼻で開けようとするそうです。
かなり重い鉄の扉、子どもたちも実際に開閉してみました。
続いては「くくり罠」です。
これはあるポイントを踏み込むとワイヤーが閉まり、踏み込んだ足を縛るものです。
一度捕まってしまうと抜け出すことはできません。
もがけばもがくほど、ワイヤーが食い込む仕掛けとなっています。
こちらも実際に子どもたちは腕を通して獲物の気分を体感しました。
冷たく硬いワイヤーはなんとなく恐ろしさを感じます。
このようにして捕えた獲物は食肉にするために、死後すぐに捌かれます。
江口さんのお話によると、お肉の鮮度を保つためには死後1時間以内に処理をすることが必要だそうです。
血液が体についてしまうと、それが臭みにもなるので、放血(血抜き)も素早く行います。
また、死後、内臓は温度の調整ができなくなるので、どんどんと高温になるそうです。
その熱で肉が焼けてしまうと、これも美味しいお肉にならなくなるそうです。
細菌の感染や衛生管理など、気をつけなくてはならないことが沢山あり、捕獲してから食肉にする過程がとても大切だということを教わりました。
猪だけではないお肉たち〜
内臓まで取り出されたお肉は精肉処理する前に冷却します。
これは死後硬直が解けるまでお肉の鮮度を保つためです。
冷蔵庫には精肉前の様々なお肉がぶら下がっていました。
これは鹿です。これは穴熊。さまざまなお肉が生肉され、お客様の元に商品として運ばれていきます。
精肉体験
さあ、いよいよ精肉作業の体験です。
江口さんが切り出してくれたお肉をさらに細かく切って串に刺していきます。
出来上がったら、みんなでバーベキューだ!!
みんなで切り出しや串刺しを交代しながら進めました。
お肉を切り出してからは「他のお肉となんだか変わらないね〜」という感想。
息をしていた動物がお肉になるという一連の繋がりが意識出ること。
食べること、生きることは他の命をいただいていることを感覚として体験することもこのお仕事体験で伝えたいことの一つです。
お肉を焼きます!
沢山のお肉を切り出し、串に刺してバーベキュー!
中にはスペアリブもあります。
“骨の周りが旨い”んだそうです。
さあ!美味しそうな匂いが立ち込めてきました。
実食
みんなで手を合わせて、いただきます!
初めての猪肉、どうかな?
「ん??」「ん!!」「美味しい〜!!」
美味しいと評判のスペアリブをガブリ!
「美味しい〜!!」
ということで、同伴の保護者の皆さんも「初めて食べましたが、こんなに美味しいとは!?」という感想。
美味しくするためには、しっかりとした処理と管理が必要です。
そうやっていただいた命を無駄にせず、その魅力を伝えていらっしゃるtracksさん。
お仕事体験中も頻繁にお肉を求めにいらっしゃる方があり、人気の高さを伺えました。
福岡市の警固にもtracksさんが経営するジビエ専門店がありますので、お料理を食べに行かれてみてください!
「焼きジビエ 罠 手止メ 警固店」