【 リポート 】12月4日(土)猟師さんのお仕事体験〜Tracks様〜
命と向き合うお仕事体験
毎年、冬の時期に実施させていただいているお仕事体験の一つ、「猟師さんのお仕事」。
ご協力頂いているのが、福岡県糸島市二丈片山1−1 糸島ジビエ工房 (株)( ホームページ:tracks tracks)さんです。
tracksは、福岡・糸島に拠点を構える猟師たちの集まりで、地元で獲れたジビエの加工や販売、飲食店の運営、イベントなどを通して
山の自然と人々の営みを次世代に伝えたい――。そう願いながら日々活動をしていらっしゃいます。
そんなtracksの代表の江口さんにご指導いただき、今日もチャレキッズたちのお仕事体験がスタートです!!
お仕事体験体験のメニュー
体験は大きく分けると3つ
1,施設見学
2,猟場の見学〜とめさし〜搬送体験
3、食肉加工体験
4、試食
です。
です。
〜一生懸命説明を聞くこどもたち〜
今日は近くの猟場にしかけている「箱罠」を見に行きます。
もし、猪がかかっていたら、その場で”止めさし”を行い、その場で血抜きを行い搬送します。
“止めさし”とは、罠でかかった獲物を電気ショックや頸動脈切断により死に至らしめることを言います。
いざ、猟場へ
車でおよそ5分位の場所にtracksさんの仕掛けた罠の場所があります。
罠は「箱罠」といい、鉄格子の箱の中に囮となる餌を入れ、猪がその餌を食べているときに引き金に触れると扉が閉まる、という仕組みです。
普段は他の場所で捕れたジビエを加工することも多く、自らの猟場に罠を必ず仕掛けるわけではないそうです。
さて、今日は獲物はかかっているでしょうか?!
なんと!今回は運良く、1頭の猪が箱罠にかかっていました。
止めさし〜電気ショックをあたえ、とどめをさす〜
今回捕獲したのはメスの猪、生後1年くらいでしょうか。
江口さんが近づくと、罠の檻に体当たりなどをして、必死に抵抗します。
通電を良くするための水をかけると少し動揺し、江口さんの手袋をかんでいました。
電気を体に流すための、長い竿を差し込み、猪にあて、通電。
電気が通っているとわかる細かな痙攣が見て取れます。
子どもたちもその様子をしっかりと見ていました。
通電し、気を失った猪が外に出されます。
そして、手際よく、ナイフで喉元を一突き。
頸動脈が切られたため、血液がととと−と流れ出てきます。
猪の目は開いています。
まだ見えているのでしょうか。
呼吸もしており、息苦しそうです。
やがて、最後の痙攣が起こり、動きが止まりました。
江口さんが「今、息を引き取りました」と言いました。
まだ生きているような猪の姿を皆が見ていました。
そしてすぐに「運ぶので手伝ってもらいたいのですが、足を持ってくれる人!」
という問いかけに複数の児童が手を挙げてくれました。
そしてみんなで猪の4つの足を持って運びます。
猪はトラックの荷台に載せられ、猟場の体験が終了。
これから施設に戻って精肉作業へと移ります。
命が食べ物へ
tracksにもどり、直ぐに作業を開始します。
お肉の美味しさは命が絶たれて、「肉」にしていく時間が短いほどよいとされています。
血抜きをすばやく、そして、内臓の熱が肉に伝わる前に解体していくことが肝なんだそうです。
(内臓は酵素を出しており、熱を発します)
到着後、すばやくお湯をかけながら毛を抜いていきます。
そして、内臓を開き、内臓を出していきます。
よく切れる包丁で行う作業は、魚をさばいている様子に似ています。
魚でも先程まで生きていた魚をその場でさばいたりしますが、感覚は全く同じです。
ある程度見学した後、お肉が保管されている冷蔵庫を見学させていただきました。
猪以外にも、鹿や鴨などのお肉が並んでいました。
このような光景を見ることも中々ない機会です。
イノシシ肉のバーベキュー!
解体と精肉の行程を見学したら、今度は自分たちでその肉に触れて、調理してみよう!
ということで、今回は猪肉を竹串に刺し、炭火で焼いていただくバーベキューに挑戦です。
猪の肉の感触ってどんなだろう?
焼けるときのようすは?
匂いは?
味は?
こどもたちは、はじめての猪肉と格闘しながら、一生懸命竹串に刺していきます。
そして、みなの猪肉の串刺しを炭火で焼いていきます。
もうもうと立ち込める煙。
そこに、下味をつける醤油スプレーを吹きかけていきます。
お肉のやける匂い、猪肉ならではの力強い匂いが立ち込めます。
なかには「臭い!」というおこさんもいらっしゃいましたが、皆焼けるのを楽しみに待ちました。
そして、焼き上がり〜・
子どもたちは待ってましたと言わんばかりにかぶりつきます。
「硬い!」「でもおいしい!」「おいしい!」「歯ごたえがすごい!」「おいしい!」
しっかりとした硬さのある肉に驚いていましたが、噛めば噛むほど味が出る猪肉の美味しさも感じられているようです。
かなりの量のお肉がありましたが、あっという間に皆で平らげてしまいました。
命をいただく感謝の気持ち
最後に皆で tracksの皆さんへお礼の感想発表をさせていただきました。
こどもたちは照れたり、まとめられなかったり、話すのが苦手なおこさんもいたのですが、みな、充実した体験にとても満足そうでした。
そして、猪が殺されるシーンでは「かわいそう」と感じたことも話してくれました。
でも、頂いたお肉は皆「おいしかった」という感想を残してくれました。
このように生命を頂いて美味しい食べ物を頂いていることを是非、知ってほしい、江口さんもそうコメントしてくださいました。
お肉がスーパーで切り身として売られているところだけしか見ないと、中々食と命が繋がりません。
また、この猪たちが畑などを荒らすことで、困っている人々もいることを知ることで、自分の生活が自然や環境とつながっていることを知ってもらえればと思います。
実は今回、猪が捕獲され、止め刺しの現場を見ることができたのは初めてでした。
貴重な経験と機会をいただきましたtracksの皆さん、代表の江口社長に感謝申し上げます。
そして、参加してくださった皆さん、ご参加いただき、ありがとうございました!