【リポート②】《参加者アンケート から読み解くお仕事チャレンジフェス2022》
〜参加者だけでなく、保護者にも気づきのあったお仕事チャレンジ 〜
お仕事チャレンジフェス2022にご参加頂いた皆様からのアンケートをもとに、どのような思いで参加されていたか、参加してどうだったか、どのようなことに気づいたか、などをみなさんと紐解いていきたいと思います。
まずは、結果から読み取れることをご紹介し、後半でアンケートをご覧頂きます。《 アンケートから読み取れること 》
<自分にもできた、という体験が積めた>
参加者の皆さん、概ね楽しんで参加してくださったことがわかりました。また、始まる前はちゃんとできるか心配だったが、実際にやるとできた、繰り返すうちに習熟していった、という体験ができていたようです。「集中してできた」「言われていること、指示されることが理解できた」というところに自身のコミュニケーション力が”働く現場でも通用した”という喜びを感じます。
<心配していたが予想以上にできた、という事を保護者が知れた>
保護者の皆さん、始まる前はお子さんがきちんとできるか、集中して取り組めるか、心配だった方が多かったようです。実際は予想以上にできること、自分の前では表現しないコミュニケーションができることなどを知ったようです。
一方、「こどもの苦手が再確認できた」「苦手が発見できた」というご意見もあり、社会と向かい合う場面においてのお子さんの適性を保護者が知ることができる機会になっていました。
<できた背景にある、企業の障がいに対する理解と寄り添う姿勢>
保護者の方々の事前の心配事の中に「企業の方がちゃんと障がいに対する配慮ができるか」ということが上位に上がっていますが、実施後は「予想以上に企業の方の理解があった」「優しく接して頂けた」という感想が上位に上がっています。
ただし、一方で「企業によって障がいに対する理解の度合いに差があった」という意見もあり、普段から障がい者と関わり業務を行っている企業、チャレキッズのお仕事体験の受け入れ、研修を受講している企業では、高い理解度と配慮があることがわかりました。
<視覚支援、見通しをもたせる、コミュニケーションの中で力を引き出す姿勢>
保護者の方々が企業の取り組みの中で障がいに対する配慮ができている、と感じた部分では、
「作業の内容がわかりやすいように工夫している(視覚でわかる手順やガイド)」
「動画などで説明している」
「完成品を提示するなどして見通しをもたせている」
「個別の対応ができる体制を整えている」
「やることの時間や量がスケジュールで管理されている」
などが上がりました。
また、
「参加者と作業中のやり取りで、本人のコミュニケーション力や表出力を引き出す取り組みをされている」
ということも報告があり、ただ優しく、ただ分かりやすく語りかけているのではなく、そのやり取りの中で本人の能力を引き出す取り組みを行う企業もあったことがわかりました。
<もっと沢山の企業の体験がしたい、機会を増やしてほしい>
参加者の希望として、今後も参加したい、もっと機会を増やしてほしい、いろんな仕事に挑戦したい、という要望が高くあることがわかりました。
また、保護者も「自分にとっての気付きがあった」「自分の知らない職種を知る機会になった」「こども可能性が広がる気がした」というご意見もあり、体験がその日の一時的なものではなく、お子さんの選択肢を増やしていくことに繋がることが確認できました。
<企業の関わりと行政や教育機関との連携 >
参加者アンケートより、各企業障がいに対しての理解を大いに発揮して望んでいただいたことがわかります。ただし、日頃から障がい者とのコミュニケーションを行い、特性に対する配慮を実践している企業とそうでない企業とでは、参加者からも明らかに対応の違いを感じていたようです。参加企業自身もワークショップを実践する中で様々な気付きがあり、次回の改善点を様々挙げていただいています。
ぜひ多くの企業にチャレキッズのお仕事体験に参加していただき、子どもたちや保護者に職業選択の幅を広げる機会を広げられたらと思います。
また、毎回行政や教育関係者の関わりや関心が低く、この現状を変えていくことも大切なことだと考えます。
以下、アンケートの内容を添付いたしますので、御覧ください
Q:参加してみていかがでしたか?(参加者本人)
Q:企業がわかりやすく取り組めるように工夫しているところはありましたか?(保護者)
Q:その内容をおしえてください
- 説明が簡潔丁寧で、見本を見せて説明してくださった。
- オフラインの状況下うまく子供達ができるようにしていただいた
- 視覚支援を多く取り入れてくれていた
- 丁寧に説明してくださった。
- 始前から話しかけてもらい、開始してから緊張せずに取り組む事が出来ていました。集中力が続かない事もあるお子さんですが、上手にリズムを付けてくれたので暇をする時間がなく比較的集中して取り組む事が出来ていた。全ての場面で「出来なくてもいいよ」「やりたいようにやっても大丈夫」という言葉が聞かれ、安心して行っている様子が見られました。
- 切り方の幅の絵をかいてくれてくれていた。
- 作業の細かいところ、手順などのサポートが素晴らしかったです。
手順を写真や動画などで示して下さったのと、工程ごとにも、写真を見せて下さり、とても分かりやすかった。- 完成品もあり、見通しが立って、やりやすかった。
- 工程がシンプルだった事や、何分〇〇するとか、具体的だったのもよかった。
- 初心者向けに用意されていた点
- 番号を分かりやすく書かれていた件
- その子のペースに合わせて、優しく話してくれていました。
- わかりやすく説明してくれた。
- その子に合った接し方をしてあった。視覚支援をしてあった。
- 丁寧な説明と補助していただきました
- 個別に声かけ、必要な時は筆談をして下さった
- お肉をカットする幅がパウチフィルム内に図柄で書かれていて、それがとてもわかりやすかったそうです。
- グループ分けされ、個別対応も可能だった
- 易しい言葉でひとりひとりに分かりやすく説明してくださった
ゆっくりと作業をすすめて頂いて、子供たちが不安にならないように、声掛けなどしてくださったと思います。- 簡単な作業できて、すぐに作業結果ががわかるように考えられていた事。
- やり方をビデオで見せてくれたり、作業するときはずっと付きそってくれた。
お肉を切るときも、幅の目安になるシートを使ってくれたのでわかりやすかった。- 色分け区分が少なかったので、わかりやすいと感じました。
- 左手のハンディに対して、やりやすいように配慮していただきました。
- 項目ごとの時間管理をしっかりされていた。
Q: 参加して、気づいたこと、発見したことはありましたか?(本人)
Q:参加して、気づいたこと、発見したことはありましたか?(保護者)
Q:企業の方のお話で印象に残っているものはありますか?
Q:それはどんなこと、どんな言葉でしたか?(どちらのワークショップかもおしえてください)
- シルクスクリーンで、どんな形でも、すこくかっこいい等褒めてくたさって、ありのままを受け止めてくださっていると感じました。
- eスポーツの産業はこれからも拡大してゆくこと eスポーツの可能性
- 子供たちのデザインを褒める言葉 シルクスクリーン:向いているよ。
- 挨拶・返事・整頓(ガードマン) 街の信号機
ちょっとの指導時間で出来るようになったことに自信を持って欲しい。- (リサイクルのお仕事)お仕事をしていく中で、仲間同士のコミュニケーションや相手を思いやること等にも、ねらいを置かれてすすめられていることに共感しました。
- (リサイクルのお仕事)ただ作業するだけでなく、コミュニケーション力や表出力をつけることを目標とされているところ
- (リサイクルのお仕事)作業工程の中でコミュニケーション力や表出力が育っていく。
見かけで判断せず、仕事をさせてみて本人の得意なことを見つける、と言われた事が一番嬉しかった。- (株)障害者つくし更生会
優しく話しかけてくれて嬉しかったです。
どんな言葉というより、子供の特性を理解くださり、わかり易いように声かけをしていただきました。
Q: イベントに参加してよかったですか?(保護者)
Q:イベントに参加する前に思っていたことはありますか?(保護者)
Q: ワークショップについて不安に思っていたことはありますか?(保護者)
Q: 参加してみてどうでしたか?(保護者)
Q: 新たな知識や気づきは得られましたか?(保護者)
Q: 「あった」とお答えいただいたその内容を教えてください(保護者)
- 色々体験してみれば楽しくできる仕事が見付かるかもしれないと思いました。
- 実況と会話は別である
- いかに人に上手く伝えられるか先を見ながら伝えることは難しい
- ゲームのルールが難しく理解できないのではと思っていたが、やっているうちに体得していた。
- 障害者雇用の現状や、対応等を実際に見ることが出来、今後の支援に生かせる部分が多く合った。雰囲気がとてもよく安心して見ていることが出来た。
- 指示を理解して作業できた
- お手本の真似をするのかと思いきや、自分のイメージを膨らませて、人とは違った作品を作った事。
- 指示がわからなければ聞き直すこと。
- 企業の方の理解ある関わりがありがたかった。新規場面や初対面の方への子どもの反応。支持の理解とそれに対する行動力。
- 企業の方の障害への理解があり、嬉しかった。
- 企業の方の障害への理解があり、ありがたかった。
- 私の手出し口出しは無用だと思った
- 保護者自身も自分の経験外の職種の内容を知ることができて視野が広がった
- 緊張しながらでも、人前で発表することが出来ていたので、成長を感じました。
- お肉の美味しい焼き方を知る事ができた。
- 子供の苦手な所がわかった。
- 子供が仕事をすると言う事が身近に感じられた。
Q:企業の対応、取り組み、言葉などで、印象に残っていることはありますか?参加したそれぞれの企業について教えてください。(午前)企業名/内容
- (午前)オイルマウントプリンターズ どんな色、形でもかっこいいと褒めてくたさったこと
- 天神ホルモン 毎回しっかりと対応してくださり、とても感謝しています。
- (午前)Youtuberになろう。参加者の年齢や理解度がバラバラで企業の方が対応に苦労されている様子が見受けられましたが、臨機応変に課題を変更してくださったので楽しく参加できました。
- つくし更生会/振り返りの際にも、出来たことを褒めた後、どうすればもっと良く出来るかなどを掘り下げて聞いてくれたり、伝えてくれる所が良かったです。
- 株式会社56フーズ・コーポレーション/分かりやすい資料を準備して頂いていただけでなく、こまめに声かけをして下さって、ちょっとした事でも褒めて下さっていてよかったです。
- 終わった後、こうした方がよかったかもとスタッフ間で話してらっしゃるのを耳にして、すぐに次に活かそうとする所もいいなと思いました。
- ゲームでもこれからの市場をささえていく。
- 学生さんたちが、元気よく言葉をかけてくださる姿が印象的でした。(西日本工業大学)
- 子どもに優しく接してくれた。(株式会社障がい者つくし更生会)
- ただ作業するだけでなく、作業工程の中でコミュニケーション力や表出力をつけることを目標にされていること。(株式会社障がい者つくし更生会)
- ただ作業するだけでなく、その工程の中でコミュニケーション力や表出力をつけることを目標とされていること。
チャレキッズ YouTuberになろう
- シルクスクリーン 企業の方の丁寧な指導と柔らかな物腰で子どもたちもリラックスして取り組めていました リラックスすることが作業への集中に繋がったと思うのでとても良かったです
- (午後)エンジョイ天神ホルモン作業の流れについて、目から見てわかるような工夫をしてくれていた
Q:企業の対応、取り組み、言葉などで、印象に残っていることはありますか?参加したそれぞれの取り組みで教えてください。(午後)企業名/内容
- これから拡大していく中でどのようにして障害を持っている子と接して行けるか
- (午後)西日本工業大学/eスポーツ とても丁寧に優しく説明していただけ、
とにかく褒めてくださったので子供もやる気になり、最後まで集中して楽しめました。- Oil Mount Printers/楽しかった?の質問に、娘がううんと首を振った時、私が天邪鬼だからとフォローすると、やりたい気持ちはちゃんと伝わってますよと言って下さり、その優しい言葉が沁みました。
- 名前で呼んでくれて、お手本も見せてもらえて勉強になりました。
- (株式会社障がい者つくし更生会)作業工程の中で、ただ作業するだけでなく、コミュニケーション力や発語や表出力を引き出そうとされているところは、すごいと思いました。
- (OilMountPrinters)ホワイトボードを使って視覚支援でわかりやすくしてあった。また、穏やかに優しく話してくれた。
- その子なりを見て対応して下さっていたのが嬉しかった
- YouTuberになろう 編集作業などが細やかな作業で驚きました 本人には難しいかなと思いましたが分かりやすくひとつひとつ教えていただいたので本人も興味を持って積極的に取り組めました
- 障がい者つくし更生会
日頃から障がい者さんとの関わりがあるので、説明など、心がけがとてもよかった。- チャレキッズ
子供がスムーズに取り組むことができました。ありがとうございました。それと
お土産まで準備して頂きありがとうございました。Q:最後にチャレキッズに対して期待すること、質問、ご意見等ございましたらお願い致します。
- とても勉強になりました。ありがとうございました。
- 軽度障害の子供たちがいかに自立して一般の企業に仕事についた場合のフォローアップ、企業側の講習など県や市に対しても就職支援などやっていただきたい
- コロナ禍で大変かと思いますが、多くの機会を作ってくださるとうれしいです。
- 初めて参加させていただきましたが、親子共に有意義な時間が過ごせました。普段できない体験ができ感謝しております。当日各ワークショップで配布された資料は本人向けには少し文章が難しいかなと思いました。イラストを増やしたり漢字にはふりがなを振っていただけるとありがたいと思いました。
企業によって内容に差があったように感じました。慣れもあるかもしれませんが、特にお子様への声掛け等は差が大きかったように思います。- いろいろなお仕事体験をしてみたいです。
- こどもだけでなく、親にとってもいい体験をさせていただきました。
- 是非今後もこの取り組みを続けて欲しいです。
- これからも、子供たちの為にも、企業(社会)のためにも、障害があっても働ける。企業側も障害がある人へどういう対応・伝え方をしていけば良いか、お互いに考えられる体験を増やして行きたいです。
- 特にありません。引き続きよろしくお願いします。
- 子ども達の可能性を見つけていきたい。
- 子ども達の可能性を引き出したいので、色々なお仕事体験を期待しています。
- 子ども達の可能性を引き出すために色々なお仕事体験ができることを期待します。
- コロナで調整が大変かと思うのですが、もう少し参加人数枠に余裕があれば良かったと思う
- もっと早くチャレキッズの事を知りたかったです!
- このような機会があること、本当にありがたいです。料理が好きな息子、ますます自信がついたと喜んでいました。
- 学校ではなかなか評価されることのない息子の得意なことを体験できて良かったです。
- この様なイベント企画を色々な地域でやって欲しい
- 貴重な経験をさせていただきありがとうございます
- シルクスクリーンに参加させて頂きましたが、企業の方は話し方もゆっくりで一人一人の顔を見て、とても誠実に対応して頂き、不安なくできたと思います。一方でボランティアで入ってくださっていた方かもう少し子供たちに声掛けなどをして、関わってくれたら良かったかなと思います。
- 声のかけ方が分からないとかでしたら、事前に子供によって、話しかけられたら話す人や、あまり話しかけられない方がいい方などあると思うのでアンケートにそれを聞いて当日の対応に生かしてもらえたらと思いました。
- 親の立場だといつもと違う場所で、子供の違った顔を発見できることも楽しみにしているので、人との関わりなども増えていくといいなと思いました。
- 今回、初めての参加でとてもいい取り組みだと思うので続けて欲しいと思います、ありがとうございました。
- また違う分野のお仕事にもチャレンジできる機会があればうれしいです
- もっとたくさんの企業が増えることを願っています。
- 将来の仕事をイメージして夢を持ってもらいたいと思います。
- またこのような機会を是非作って頂きたいと思います。
- ありがとうございました!
《 ご参加いただきありがとうございました 》
イベントに参加し、アンケートにお応えいただいた参加者の皆さん、ありがとうございました。
参加者の皆さんの真剣な表情、そして保護者の皆さんのお子さんを見守る様子がとても印象的でした。
我が子が社会と対峙したとき、どのような姿勢や反応をしめすのか、親としては気が気ではないですよね。
しかし、親といえども子どもの人生に手助けはできない。
その子に与えてあげられることは、機会と環境くらいでしょうか。
チャレキッズが企画するそれぞれの”場”がその機会の一つになれればと思っています。
企業や行政が「やってくれて当たり前」なのではなく、どのようなことが自分たちにもできるのか、その未来を作るために奔走している企業や人材に少しでも報いるためにも当事者、そしてその関係者のみなさんが協力して現状を変えていけたら素敵だなと思います。
まだ、保護者アンケートは受け付けています。回答がまだできていらっしゃらない方はぜひ、ご回答いただけると嬉しいです。