高校の授業に「チャレキッズ」が登場!
福工大付属城東高校☓チャレキッズ コラボ企画授業 「チャレキッズ」リポート Vol.1
チャレキッズの「おしごとたいけん」は福岡市内外に住む、発達障がいや知的障がいのあるお子さんたちの将来の就労の促進と定着を図るため、幼い頃からのキャリア教育の機会提供が重要、ということからスタートしました。
しかし実際は、その機会を提供する企業の社員、社会とのつながりを得た保護者、多様な考え方に触れた教員など、彼らに関わった多くの大人たちにとって気づきの多いプロジェクトになっています。
これから益々「多様性」「共生社会」「インクルーシヴ」がキーワードとなる中、社会人はもちろん、学生の段階から、その感覚を身につけることは大切な要素です。
今回の城東高校で受け持たせていただいた講座「チャレキッズ」はその重要性を感じてくださった、城東高校の寺戸先生の御理解の上でスタートすることができました。
内容は、
①高校生が、おしごと体験のプロデューサーとなり、障がいのある子どもの特性に触れ、コミュニケーションを図り理解をする過程で、多様性について考える機会を得る。
②受入企業の職務を学び、その企業にチャレキッズの事を伝えるという作業を通して、「配慮」ということについて学ぶ
この内容を前期10回、後期10回でそれぞれ展開していきます。
高校1年生には少々ハードルの高い作業になるかもしれませんが、きっと彼らにとって学びの多い授業になると思っています。
<第1回目の授業〜導入〜>
第1回目の授業では、チャレキッズの取り組みをご紹介。
「障がい」と聞いて、どんな障がいを想像するか?
に対しては「目で見てわかる障害」を挙げた生徒多数。
そして、授業を選択した動悸については
「障がいのある人を助けたい」
「助けるために、助けになるために、何に困っているかを知りたい」
「必要な支援を知りたい」
「ノウハウを知りたい」
という意見が。
他にも
「自分が抱いている障がい者に対する考え方が間違っていないかを知りたい」
「障がいのある人がどんな生活を送り、どんな未来を描いているのかを知りたい」
そんな声も聞かれました。
果たして、チャレキッズの授業の内容が彼らの「知りたい」に応えるものになるかどうか。
取り組みを通して、何かを感じてもらえるように考えたいと思いました。
<第2回目の授業〜チャレキッズの紹介〜>
第2回目の授業では、今回コーディネートする、福岡市当仁中学校の生徒達の情報を共有し、各グループに別れて、第3回目に計画している彼らとのコミュニケーションにおいて、どのような事を尋ねれば良いか、どのような順番でインタビューするのが良いか、などを考えてもらいました。
第3回目に向けて、各グループで90分感(授業時間)の過ごした方、インタビューの内容や手順の計画を練ってもらしました。サポート
ここで、対象となるチャレキッズの「障害についての情報」はほとんど、提示しないことにしました。
それは、先入観なしで対峙して、どのような印象を得るのか、どのような対応をするのか、を知りたかったからです。
また、先入観があることで「できる」ことにフォーカスする事を大切にしているチャレキッズの活動の前に「苦手なこと」「困難なこと」に意識が行ってしまわないかを恐れたからです。
先入観無しで練ってもらった各グループの、「おもてなし計画」は、チャレキッズの得意なことにフォーカスしたとてもワクワクする内容になっていました。
<第3回目の授業〜チャレキッズとの対話〜>
第3回目の授業は、いよいよ当仁中学校の生徒とのコラボ授業。
チャレキッズたちにも事前に、高校生が考えた過ごし方や質問事項をお伝えしてました。
それに対してお答えする練習もしてきたとのこと。
最初に簡単な挨拶をしていただいた後は各グループにチャレキッズたちも参加、チームの高校生が仲良くなるための質問や過ごし方で心を解きほぐしてくれていました。
高校生たちがイキキとしてました。
頼られたり、期待されたりすると、俄然張り切るものです。
全体を4つの時間に分けました。
①仲良くなるための時間
②得意なことを知るための時間
③やりたいお仕事について知る時間
④深める時間。
最初の仲良くなる、得意なことを知るための時間は教室を出ても良いことを伝えていました。
そのためか、①と②の時間には生徒たちは一人もクラスにいない、という状態になりました。
雨の中、それぞれのチームでチャレキッズたちとどんな会話をしていたのでしょうか。
印象的だったのが、これまでもチャレキッズの活動によく参加してくれていた一人のチャレキッズが、これまで見たことないくらい、たくさん喋っていたことです。お兄さんお姉さんからの質問に、とても嬉しそうに絵、積極的に答えていました。
人と関わることが苦手、と言われている彼も、人と関わること、知りたいと思ってもらうことがとても嬉しいのです。
①②の時間を経て、今度はやりたい仕事を聞く時間と深めるための時間。
ここで、今年夏に予定しているチャレキッズのお仕事体験の予定も配布しました。
その中から選んでも良いし、自分たちで見つけても良い。
本当にやりたい体験をさせてあげたいと、高校生たちは一生懸命チャレキッズ達に問いかけました。
チャレキッズのお仕事体験にない内容でも、なんとかできないかと一生懸命考えていました。
最後に発表の時間を設けました。
今回の90分の授業の中で、各チームが担当するチャレキッズとどんな時間を過ごしたのか、全員とシェアしました。
中には「チャレキッズのことが大好きになりました」というコメントも。
そして、チャレキッズからも「おにいさんおねえさんたちがとても良くしてくださって、最高のチームに出会えて嬉しいです」という破格の褒め言葉も頂戴いたしました。
そして、お仕事体験が決まったチームはその体験も発表しました。
さぁ、これからいよいよ体験へ向けてのコーディネートがスタートします。
各チーム、それぞれの手法でコミュニケーションをとり、それぞれの手法で得意なことややりたい仕事を知り、これからの活動につなげていきます。
<つづく>