福岡発!発達障がいや知的障がいのある子ども達の夢を叶えるプロジェクト

【座談会リポート】チャレキッズ・オンライン座談会 《教えて!南川先生!》~子どもを伸ばす魔法のことばかけ〜

保護者・支援者のみなさんと語るオンライン座談会

2020年6月24日(水)10:00〜11:30 Zoomを使ったオンライン座談会第2弾を実施しました。

スクリーンショット 2020-06-09 10.01.09
テーマは「子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」です。
ゲストスピーカーには、発達子どもアカデミー原田校の管理者であり、精神保健福祉士、ペアレント・トレーナーの南川悠先生をお招きました。
minamikawa-top
第2弾となる、座談会、どんな様子だったのか、リポートしてまいります。
キーワードは“ほめる”、“保護者から変わる”、“意欲を伸ばす” です!

目次

1,第2弾のテーマはズバリ“ホメる”
2,事前試聴動画“ホメ上手になろう”Part1
3, “ホメ上手”になるためのステップ
4,「ホメる」とは「肯定的な注目」
5,継続できる自分らしいスタイルで
6,事前試聴動画“ホメ上手になろう”Part2
7,参加者の皆さんの事例を共有
8,座談会は続く
次回以降の企画のご紹介

1,第2弾のテーマはズバリ“ホメる”

ホメてお子様を伸ばすには?!

叱る3
お子様を「叱って指導していくのが好きだ」そうおっしゃる保護者はどれくらいいるでしょう?
ほとんどの親御さんは「ホメて伸ばしたい」。そう思っていらっしゃることと思います
多くの児童書などにも「ホメる」ということがお子さんの能力を引き出す、創造性を育むなどに有効だと書かれています。
勉強熱心な保護者の方ほど、学ばれ、さあ、実践だ!と意気込みお子様と向き合う。
そして、ホメる。
しかし、、、、思ったような反応が生まれてこない、続かない、ホメられるような出来事がない、なんだか疲れた、せっかく褒めようと頑張っているのに、、
効果がないじゃないか。。。。
そんなジレンマに陥ったこと、ございませんか?

ではどんなふうに「ホメる」という魔法を使っていけばよいのでしょうか?!
褒める1

座談会の流れ




9:45  入室開始
10:00 主催挨拶
10:05 ゲストSpeakerご紹介
10:10 参加者自己紹介
10:20 参加者のみなさんの事例共有
10:30 speakerからの話題提供「ホメ上手になろう!」
10:40 各自の事例に対してのコメント
11:10 質疑応答 
11:25 感想共有
11:30 終了

2,事前試聴動画“ホメ上手になろう”Part1

ホメ上手になるために①

今回も参加者には事前にテーマ動画をご覧いただきました。動画はPart1~part3までありますが、Part1のみをご覧頂きました。
Part2,3は座談会中のレクチャーとしました。
part1の動画も“わかりやすかったと”お褒めいただきました!

3, “ホメ上手”になるためのステップ

その①準備を行う

ホメ上手になるために、まずは「準備が必要である」という認識を持ちましょう。
講座で聞いたことを、本で読んだことを、すぐに実践して、すぐに効果が出るようであれば、子どもをほめて伸ばすことが難しい、そんな話題は上がってきません。
講座を見聞きしても、書籍を読んでも、うまくいかないから、難しいと言われているのです。
そうならないためには、「ホメるための準備」が必要と南川先生はおっしゃいます。

その準備とは、一体どんなことでしょうか?

その②「ハードルを下げる」

ホメるための最初にすることは、“こどもの「良い行動」をみつける”ことです。
みなさんにとって、良い行動ってどんなことでしょう。
ホメるためには「良い行動」をたくさん見つけてあげることが必要です。

そう言うと、「そんなこと、すでにやってます!」「探そうとしてますが、見つからないんです!」「注意しなくてはいけない事のほうが多過ぎて、、、」なんていう声が聞こえてきそうです。。

ところが、南川先生はおっしゃいます、「良い行動」のハードルが高すぎやしませんか?」

保護者が考えている「良い行動」とは、例えば、

言われずとも学校から帰ってきたら手を洗い、うがいをして、宿題をやって、終わったら時間割をする。
食事の時間になったら遊びをやめてご飯のセッティングを手伝い、自ら食器を下げ、言われずともオフロに入り、夜更かしせずに歯を磨いて寝る。
朝は何度も起こされずとも起きて支度を始め、朝食を食べ、遅刻せぬように準備を整え家を出る。

一日の流れというところだけを見るとこんな感じでしょうか?
syukudai_natsuyasumi_boy

syufu_otetsudai
これらの行動は、彼らにとってハードルが高すぎるのです。
定型発達のお子さんと言えども「良い行動」をするお子さんのほうが少ないはず。
逆に良い行動がバッチリ出来ているとすれば、親の顔色を見すぎてはしないかと、心配になるくらいです。

「良い行動」のハードルが高いと、出現回数が低くなり、ホメる回数も減っていきます。
そこで、「良い行動」=「褒められる行動」=「出現頻度の高い行動」=「当たり前にできていること」と視点を変えていきます。
「出来て当たり前な事」の中でも、毎日やることで、親御さんも助かっていることがあれば、そこが狙い目です。
早速「当たり前にできている行動」▶「褒められる行動」に昇格させましょう。

良い行動」=「褒められる行動」=「出現頻度の高い行動」=「当たり前にできていること」▶「褒められる行動」に昇格

注意点として、本人が「それくらい出来て当たり前でしょう」という事柄に関してむやみに褒めることのないようご注意ください。
「ちょっと、お母さん、僕のことバカにしてるの?」となりかねません。

そして、「ホメる」ということの定義も見直す必要があります。

4,その③「ホメる」とは「肯定的な注目」

お子さんの行動を“肯定”するだけでもOK!!

ok_woman
お子さんの日常的行っている行動を「良い行動」と設定ができたら、次は「ホメる」を実践していきます。
ここでも、「ホメる「というと、大きなリアクションが必要、だとか、心をこめて、感情を込めて、とか。 相手の目を見て、具体的なスキンシップも一緒に・・・
こうなってくると、保護者の負担が大きくなってきます。

ホメるという行動を続けていくためには、こちらのハードルも低くしていく必要があります。
そこで、「ホメる」を、大きなアクションを伴い、心をこめて響くように、ということから「肯定的な注目」であればOKへとハードルを下げていきます。
この「肯定的な注目」というキーワード、ぜひ覚えておいてください。
否定的な注目ではなく、“肯定的な注目”です。

その注目は言葉にすることが望ましいのですが、注目していることを知らせるだけでもOKだといいます。
例えば「OKサイン」もしくは「親指を上に上げるポーズ」などです。

figure_goodjob

5,その④継続できる自分らしいスタイルで

お子さんの年齢や関係性によりそのシグナルは変わっていく

もちろん、スキンシップが大好きなお子さんには、ハイタッチ、握手、ハグをする、頭を撫でる、肩に手を置くなどの形で示してもよいかと思います。
年齢が上がってきたり、普段からの関係性や保護者のキャラクターによっては、そこまでは出来ない、突然すると逆にギグシャクする、などという事もあるかと思います。

そういった場合は、肯定的な注目、これで十分です。

1,良い行動のハードルを下げ、良いところを見つける
2、そしホメるを肯定的な注目を注ぐ。

その他にも、「ホメる」を実践するための準備として

“お子さんの得意なことと、苦手なことを整理する”
“具体的な行動をホメる”
“皮肉を言わない”

なども大切なポイントです。

これらのお話は、事前視聴動画「ホメ上手になろう!」のPart2でご覧いただけます。

6,事前試聴動画“ホメ上手になろう”Part2

ホメ上手になるために②

7, 参加者の皆さんの事例を共有

小学1年生から中学生のお子さんについて

座談会では、参加者の皆さんのお子さんについての話題を共有させていただきました。

事例紹介

◆ADHDの一年生です。学校が始まりましたが初日から教室を出るなどがあったようです。担任の先生は理解があり、一緒に情報共有していきましょう!という感じです。
学校への登校が集団登校なのですが、その登校が嫌なようで、途中で帰ってきてしまいます。
学校自体も面白くないといい、行きしぶりがあります。
親も仕事をしているため、登校に手を煩わせられるのが苦痛です。

◆「先生が他の子を怒るのが怖い」と言ったり「友達も、凄い顔で、お母さんが聞いたらびっくりするくらい、ひど言い方をする。」と言って、朝腹痛や頭痛になる様になり、2年生の後半には、学校に行けなくなりました。
6年生にらなった今も、先生が玄関先に来ると分かると、奥の部屋に逃げ込みます。

◆集団生活が始まる幼稚園から登園しぶりがあり、小学校でも担任の先生と合わずトラブルばかりで「僕が学校に行かないことが僕の仕事だ」とまで言うようになりました。
その後5年生で転校を決意しました。転校先では暴れたり荒れていましたが周りの先生方や放課後デイとの関わりで徐々に落ち着いていきました。
中学校はほとんど登校していませんが、転院して出してもらった薬が本人に合い、放課後デイに友達や楽しみを見つけて、家庭でもようやく穏やかな生活をおくりつつあります。
僕は学校に行ってもいいのかなと口にするまでに数年がかかってしまいました。

◆昔から特性はあったが、通常級に通っていた。小学6年となった今年から支援級に入ったが、これまでも出来ないことや失敗が多く、叱られる経験が多かった。どのようにホメていけばよいか知りたいのと、定型発達の姉妹に挟まれ、兄妹の間で不公平感を口にするのをどのように対処していけばよいか困っています。

そして、その話題について、南川先生から個別にアドバイスや取り組みへのご提案がありました。
それは例えば、

「ホメすぎているかもしれないのですが、良いのでしょうか?」▶「大丈夫です!」
「学校に行き渋りするのですが」▶「行っている、という事実だけでそれはホメて良い行動です」
「姉弟の間で行動のレベルに違いがあり、ホメる行動に統一感が持てない」▶「その子その子に合った基準でホメるを実行し、その差異については、別の機会でフォロー」

などなど。
共通する“魔法のことば”はないけれども、“ホメる”という行為が魔法のように効くようにするためには「保護者とお子さんの人間関係の構築」が大切だというお話も印象的でした。
一人ひとりのお子さんがのびのびと、それぞれの特性に合せた発達が許され、支援される環境が整えば、本当にお子さんの笑顔が増える。
そんなふうに思います。

座談会写真 200624-3

8,座談会は続く

高い満足度をいただきました

今回の「子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」は、アンケートでも高い満足度をいただきました。
参加者の個々の事例とそのアドバイスを皆で共有できるということがその要因となりました。
そして、最初に挙げたキーワード、“ほめる”、“保護者から変わる”、“意欲を伸ばす” についてもよく納得頂いた印象でした。
今回のブログでは「意欲を伸ばす」についてはかけませんでしたので、
次回の座談会実施後に続きを書かせていただきます。

《アンケート:本日の座談会の満足度はいかがでしたでしょうか? 1:期待はずれだった 10:期待以上のだった 》
スクリーンショット 2020-06-29 17.04.11

《アンケート: 特に印象に残ったお話、気づいたことなどがあれば教えてください。 》

スクリーンショット 2020-06-29 17.04.40

スクリーンショット 2020-06-29 17.04.19

座談会写真 200624-2

チャレキッズのオンラインセミナー、座談会は発達に特性のあるお子さんや成人の方と社会がどのように接続されることが望ましいか。
その知識や経験を共有していきます。
今回の南川先生のお話の中でも、お子さんの行動をきちんと視るということが大切というところがありました。
そのときに使われている理論が「ABA(応用行動分析)」です。
今回はこの応用行動分析のセミナーもじっしいたしますので、是非ご参加いただければと思います!

ということで、次回以降の企画のご紹介です!

次回以降の企画のご紹介 

初心者にオススメ!応用行動分析学的子育てのススメ

また、7月18日(土)には、お子さんへの対応に応用行動分析どのように活かせばよいのか、ABAがはじめて!という方向けの講座を実施いたします。
応用行動分析学のセミナーを多数開催していらっしゃる、春日小学校校長の朝倉博実先生によります、「応用行動分析学的子育てのススメ」です。
ふくふくプラザ503号室で14:00〜16:00の時間に開催いたします。
また、当日会場にお越しになれない方のために、Zoomでのご参加も可能といたします。
奮ってご応募ください。

申し込みはこちら
ジョブクエストチラシ 200718-02

皆さんのご参加、お待ちしております!

関連記事

Comment





Comment