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リポート⑤【お仕事チャレンジフェス2020】〜 企業のワークショップへの取り組み〜

お仕事チャレンジフェスへご参加いただいた企業

今回、お仕事チャレンジフェス2020には15の企業が出展してくださいました。

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参加者の皆さんへの印象は?

ご出展くださった企業の参加者のみなさんへの印象はどのようなものだったでしょうか?
アンケートで尋ねてみました。

1、参加者について

まず最初に参加者の印象や成長の可能性について、次いで集中力や意欲、支持理解、質問などコミュニケーションについての質問をさせていただきました。その結果がこちら
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どれも、可能性を感じ、成長することを実感し、始まる前と後で印象が変わったとお答えくださった企業が多くありました。また、指示理解が思った以上にできていること、作業スピードの向上など短い時間の中での習熟、そして集中力、わからないことを質問するなどもできていたという回答となりました。
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2、感想の詳細

つづいて、そう思われたポイントについてうかがいました。

・高いPCスキルを感じました。また、作業の中で自分の興味をしっかりと意見することが出来ていたと感じます。
・障害を抱えている事を感じられないくらいの対応だった。
・言われている内容の理解が薄く、集中力に不安がある子がいたが、親がワークを行うことで、同じ目線で子に伝え、理解が進んだ。
・働くというよりは、楽しむというウエイトが大きかった(反省点)ため、参加者の成長やお仕事の経験という意味ではプログラムに改善の余地があると感じた。
・ツールに不慣れな子どもたちが、指示したものよりはるかに高度な操作をして楽しんでくれました。
・同じ内容でも理解度によって違う作品になっていった。
・わからない点は質問してくれた。こちらの提示した内容をしっかり行っていた。
・連続した同じ動作の中で、コツを掴む(慣れる)ということはみんなできていた。
・一般社員への指導で使う説明が通用した。
・全体的に真面目で、器用な方が多い印象。
・理解力も申し分なかった。
・自ら質問したり、自主性を磨いていけば更に活躍の場が広がるかと思います。
・職員の説明に対して、はっきり返事、頷いたりと礼儀正しかったです。
・分らない事や、説明が難しかった事に対しては、もう一度説明を求めるなど積極性を感じました。
・動画作りにおいては事前準備やパフォーマンスなど、とにかく頭と感性を働かせないといけませんが、その難しい壁をなんなく乗り越える子供もいた。作業に苦戦した子もこちらのアドバイスでクリアできていた。
・特に出来上がった作品を皆で見るときは感動や反省、いろいろな感情が読み取れて成長と可能性を感じました。
・手の器用さ、集中力、コミュニケーションも思っていた以上にスムーズであった
・言ったことを素直に取り組んでいるので出来るようになるのが早い

いかがでしょうか。
来てくださった参加者の皆さんの能力が高かっただけ、というご意見もあるかもしれません。
しかし、この結果は昨年と同様、高い可能性や能力を企業の方が感じてくださっています。
道昨年のリポートはこちら(お仕事チャレンジフェス2019リポート企業篇)
参加者アンケートでは参加者、保護者自信も「やればできるんだ!」を感じてくださっています。
そこに必要なのは、受け入れ側の準備と姿勢、と書きました。
それらの準備を整えることで、企業側も障がいのある若者に対して高い能力を感じることができたのです。
逆に言うと、それだけ「障がいのある若者がどれくらいの能力があるのか」について、誤解している方も多くいらっしゃる証だと思います。

そんな企業のみなさんが今回、どのような目的をもってお仕事チャレンジフェスに参加してくださったのでしょうか。
その目的をうかがっています。

ご出展企業が参加してくださった理由 

企業には事前に、参加を決めてくださった理由や目的、発信していきたいことがら、参加者や社員にプレゼントしたい体験は何かなどの質問をさせていただきました。

1、出展を決めてくださった理由

出展の理由としては、

①社会貢献をしていきたい、
②チャレキッズの理念に共感しているから
③前回参加したときの反省点を改善していきたい

等が挙がりました。
①は企業としての価値を高める、責務を果たしていくというお考えが伺えます。
②はチャレキッズの活動を応援してくださっている企業の思いを感じます。
③は具体的に障がい者雇用の実現を目指す企業のブラッシュアップへの思いを感じます。

2、目的はなにか

続いて目的では



①社員の視野や経験を増やす

②障がいのある方がどのような仕事ができるのかを考えたい

③障がい者の職能、適性を知る

④仕事の切り出し方の検証、具体的な雇用の可能性の検証
⑤子どもたちの経験のため
⑥職業選択の機会を広げる


などの回答がありました。
①②③④は障がい者雇用の実現を目指す企業が、お仕事チャレンジフェスを通してスキルアップしたいという思いが伺えます。
⑤は子どもたちや社会に貢献したい、というお気持ちを感じます。
そして⑥は社会にある問題を捉え、チャレキッズのイベントへの思いも汲んでくださっている内容となっています。

3、障がい者雇用への意識

参加くださった企業を「障がい者雇用への取り組み」で分けると

①障がい者雇用をすでに行っており、その意義を広く伝えていくことに関心を持ってくださっている企業
②障がい者雇用を行っており、さらに拡大していくために経験や学びを深めたいという企業
③障がい者雇用はまだ行えていないが、実現に向けて準備や学びをすすめている企業
④障がい者雇用の予定はまだないが、関心があり、学びたいと思ってくださっている企業
⑤障がい者雇用の予定はないが、子どもたちに有益な体験を提供していきたいと思ってくださっている企業

①である企業を増やすことがチャレキッズの目指すところではありますが、必ずしもすべての企業がそうならなくてはならないわけではありません。
規模や提供しているサービス、企業が目指す形に合わせて、障がい者雇用が広がり、同時に企業が発展していくことが望ましいと考えています。
そうなるよう、それぞれのフェーズ(段階)に合わせて、気付きや学びが得られるよう日々考えています。
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参加者や社員に体験してもらいたい事柄について

事前アンケートでは、参加者にだけでなく、社員に対して提供したい体験についても聞き取りました。
参加者へは「体験させてあげたい事柄」ですが、社員へは「参加者から学んでほしい事柄」となります。
一方的に与えるのではなく、互いに学び合う感覚を企業には持っていただけるようお伝えしています。

1.「参加者に経験してもらいたいこと」について 

企業に参加者に体験してもらいたい事柄について尋ねたところ


・人の役に立つこと、働くことは楽しいことだ。  100%
・自分にもできた! 75%
・仕事は楽しい! 58.3%
・仕事は難しいところもある 33.3%

・難しさに向き合うことで、成長することができる 33.3%

という回答になりました。
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楽しさと難しさ、そこを体験しての「成長」が仕事の醍醐味であることを伝えたいという企業の皆様の考えが伺えます。
そして、それらの経験が参加者に提供できたか?の事後アンケートでは、

2、参加者に体験させることができたか?

(1:あまりできなかった→ 5:十分できた」」の5段階評価で)

◆「5」は5.9%、
◆「4」が58.8%、
◆「3」は35.3%

となりました
一番多かった「4」の理由としては


・ただ楽しいというだけでなく、仕事としての難しさ、楽しさを感じてもらえた。
・連続した印刷を行なっていくことで、短時間の間にコツをつかんだりする姿を見れた。また、それらの喜びを共有できた。
・畳のヘリを折り曲げる作業に重点を置き、地味な作業の中の難しさ、集中力の大切さを経験していただけた。
・思った以上にソフトの操作が簡易で、かつ参加者もスキルが高くスタッフと掛け合いをしながら楽しく進められた。
・保護者の方の視線も重要で、時々フォローが入り、あたたかな和やかな環境で製作が進んだのが良かった。
・ご両親へ施術を行うことでコミュニケーションの機会や感謝されることの機会を体験し、仕事への興味が増していた
。
・当社の実習や面談のやり取りを経験して参加者(子供、保護者)は、それぞれ相応の実感を提供できたと思われる。
子供は自身が前向きな姿勢になれる実感、自身の運動機能が発揮できる実感等があった。
保護者は、日頃見ることのなかった子供の動き、認識の状態を知れた実感。よって、保護者からの感想「もっと早く子供に経験させたかった。知りたかった。」等につながった。


このうに、練り込まれたワークショップを通して、参加者の良好な反応、保護者とのコミュニケーションが活発になっていたことが伺えます。


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また、「3」については

・もう少し事前準備を行う事でより良い経験を与えられたと思うから。
・もっとワークを細かく切って褒める場面を増やせば良かった。
・講師陣の事前準備が不足していた
・介護の仕事の一部を体験して頂き、介護のイメージは持って頂けたと思う。

など、参加者のさらなる満足度をひきだすべく、改善ポイントを意識してくださっていることが分かります。
これらをクリアすることで、もっと良好な体験が提供できるという企業の前向きな姿勢を感じました。


( リポート⑥へ続く )

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