福岡発!発達障がいや知的障がいのある子ども達の夢を叶えるプロジェクト

【リポート①】夢をひらく!チャレキッズお仕事チャレンジフェス2019〜企業篇〜

学びと気づきに溢れた1日となりました!

2019年2月11日(月・祝)、福岡市中央区荒戸にある、福岡市市民福祉センター、通称、「ふくふくプラザ」において、チャレキッズの「夢をひらく!チャレキッズお仕事チャレンジフェス2019」を開催しました。
7つの部屋とスペースに合計16もの企業、業種のワークショップが集結、一日で複数のお仕事の体験ができるという贅沢なイベントになりました。
イベントについての概要などは特設サイトへ

写真 チャレフェス2019-59

応募数102、参加決定者68名、3回転のワークショップに延べ170名が参加。

16のワークショップを11:00〜、13:00〜に、15:00〜の3回転実施していただき、そこに、2〜5名の定員を設けて希望を募りました。
当初50人も来ればよいだろうと言われていましたが、ふたを開けてみると、100名近い応募に、70名近い参加、しかも当日欠席したのはわずか1名だったということも我々にとって嬉しいニュースでした。
延べ170名以上の参加。チャレキッズの取り組みを見学にいらした方、セミナーへのご参加の方など、200名を超える方がご参加くださいました。
写真 チャレフェス2019-26
そんなチャレキッズ(発達に特性がある、コミュニケーションが苦手である子どもや若者以下”チャレキッズ”と表記)との間で様々な気付きが生まれました。
今回は企業の皆さんの取り組みにフォーカスしてリポート致します。
参加者の皆さんの気付きなどについては、こちらからご覧になれます。
↓↓↓↓
リポート②参加者篇はこちら

職業選択の可能性を広げること

発達が遅れているから、特性があるからと言って、職業選択の可能性が閉ざされているのは、本人にとっても、企業や社会にとってもデメリットだと考える当団体では、
得意なことを伸ばし、仕事人としての価値を生み出していくことは、誰にでも可能なことだと信じて活動しています。
そんな思いを持って、このイベントを作ってきました。

写真 チャレフェス2019-55

参加企業の感想をまとめると

Ⅰ、 チャレキッズが成長していくことがわかった
Ⅱ、 チャレキッズの(就労に向けて)可能性を感じることができた
Ⅲ、 社員に学びがあった
 

以下、アンケートと一緒に見ていきます。

チャレキッズの成長や可能性について 

参加企業に参加したチャレキッズたちについての印象がどのように変わりましたか?を訪ねたところ、

可能性を感じることができた。76.9%
成長していくことを実感できた76.9% 
印象は変わらなかった 0%
やはり難しいなと思った30.8%

という結果を得ました。 (下記グラフ参照)

スクリーンショット 2019-02-26 06.13.21

詳しくその内容を伺ったところ、以下の詳細情報を得ました。

◇仕事内容を細かく分解することで、十分戦力として活躍できる環境を作れると感じました。
◇映像に対する壁が全くなく、大いに可能性があると感じた。
難易度の高い課題だったが、こちらの予想を超えて時間内に高いクオリティのものを完成させていたことに、子どもたちの可能性を感じることができた。
◇言葉を発することが苦手な方も、理解はできていると感じる場面があった。
人が相手だと、実際どうなのかは心配。ニュアンスが伝わるか今回のワークショップでは計れていない。
◇スタッフのファシリテートによって、子どもたちの心の内を開き、表に表現する形で出来たことが、子どもたちにとって、関わる我々、ご家族中なの方々も感じられたと思います。
特に、出合った書籍を元に自分自身の気づきと方向性を書き記した子は、その感覚の素晴らしさと表現力の豊かさを感じられました。感心いたしました。
◇ 参加した子供たちが、一見聞いていないように見えてきちんと人の話を聞いていたこと。
◇ 訓練が必要であるが、丁寧に高水準のものづくりをする子供がいたこと。
◇ 二回制作を行ったが、ほとんどしゃべらない子が一回目の課題をきちんを言えたり、それを生かしてより良いものを作ることが出来たこと。

どのコメントも、企業の想像を越えたパフォーマンスを子どもたちがしてくれたことがわかります。
それにより企業の彼らに対する印象も向上。
中には、一緒に働くためにはどうすればよいかの想像がすでに働いていらっしゃるかたもいました。

また、難しさや不安を感じつつも、理解への一歩につながった方もいらっしゃいました。

このように、参加した企業が子どもたちと触れ合うことで、可能性を大いに感じてくださったことがわかります。
それは、彼らが短時間でも「成長していくこと」が実感できたことが要因と考えられます。
以下のアンケートを御覧ください。

100%の方が短時間での成長を実感

「取組中、チャレキッズの作業の習得状況やスピードに変化が見られましたか?
という質問について、
実に、92.3%のかたが「反応や理解が進んでいることがわかった」と回答し、7.7%の方が「スピードが増した」、と回答してくださっています。
作業の習得状況について、100%の方が良い方向での変化が見れたと回答してくださっていることになります。

スクリーンショット 2019-02-26 06.18.31

企業のみなさんがチャレキッズと作業をともにすることで、この理解が増している、スピードが増していることから、「成長や理解がすすんでいる」ということが実感できています。

それはすなわち、教え方次第でできることが増え、内容によっては仕事ができる、ということが実感できた証です。

《 社員に学びがあった 》

写真 チャレフェス2019-35

写真 チャレフェス2019-52

更に、参加企業の9割以上が、アンケートに回答してくださっているご担当者だけでなく、他の社員にも「学びがあった」と回答して頂いています。

スクリーンショット 2019-02-26 06.27.34

その内容は

◇ 一緒に取り組むことで、障がい者の方との関わり方に対して学べたと思う。
◇ スタッフそれぞれが担当につき、フィードバックシートを記入した事で、責任感を持って参加者に接していた。
◇ 思っていた以上にちゃんと見てくれていたので少し関心しました。
◇ 新しく人を雇用すると、そう言った部分も育んでいけるのかな?と想像する事ができました。
◇ 制作のスタッフだったので、コミュニケーション自体が大きな学びとなった。
◇ 障害などの視点抜きに人と人とのコミュニケーションの本質とは何かを考えるきっかけになった。ほめることの大切さを感じた。
◇相手の理解度を確認するようになった
◇障がいを持っていても、関心や興味があれば前へ進んでいけるということを改めて感じることができました。
◇1クール終わるごとにミーティングをしていたが、実践しているメンバーにはない視点を持っていた。
◇ 彼らが劣等感を持っていると勝手に思っていた自分の考え方を恥ずかしく感じると同時に、周囲が決めつけないことがとても大切であるという気付きがあった。
◇ シンプルに目の前のことに全力で取り組む姿勢に、我が身を顧みる機会になった。本当に教えられました。

>>企業ごとにそれぞれ視点は異なりますが、障がいのある方々との取り組みの中から、社員が育つ、成長する機会を得ることができると実感したと言えます。

このような気づきを導き出すことに一役買ったのが、「フィードバックシート」でした。

学びを獲得するための工夫「フィードバックシート」

今回各企業に事前準備の段階から、「単にワークショップを提供するだけで終わらないでほしい」という思いがありました。

「参加者にも企業にも情報が残る仕組みを構築したい」
「今後の活動や教育に活かせるような基準をひとつ設けたい」

そのように考え、チャレキッズでは、各社が現場で、仕事を遂行する上で大切にしている感覚や資質、態度姿勢などを伺っていくことにしました。

そして、そういったポイントにワークショップに参加する若者がどのくらい対応できているかを測っていただこう。
また、そのポイントについてワークショップ中に成長するかどうかも見ていただこう、という趣旨です。
以下に、そのポイントを挙げさせていただきます。

スクリーンショット 2019-02-26 06.59.10

大きく分けて、3つのポイント、1、資質 2,感覚 3,態度姿勢 で大切にしたいポイントに優先順位を付けていただきました。
上記の評価基準について、各社で優先順位をつけていただき、その部分についてどのくらいできているかをチェックしながら接していただこう、というものです。

更に、ワークショップ内に優先順位をつけていただいたポイントが測れる取り組み(例:包丁の置き方を伝え、きちんとそれが守れるかを見るなど)を設け、その実数や変数を測っていただくことに致しました。

これらの情報をまとめ、進行の細かなタイムスケジュールまでを入れた「ワークショップ概要書」を作成、各社のワークショップメンバーに共有をしていただきました。

「ものさし」があることで、変化がわかる

このひとつの評価基準(ものさし)を持って、ワークを進めたことで、参加者の成長ぶりや理解度の増減を測ることができたのではないかと思います。
さらに、優先順位を持っていることで、「できないこと」にフォーカスするのではなく、自社で大切にしているポイントがどのくらい「できているか」を把握することができたのではないかと思います。

写真 チャレフェス2019-18
評価項目や視点、どこにフォーカスしていくかについては、多くの改善ポイントがあります。

(※企業用フィードバックシート)
フィードバックシート 190205-1-02
フィードバックシート 190205-1-03

(※本人が事前事後に記入するフィードバックシート)
フィードバックシート 190205-1-04

必要な改善点

フィードバックシートについては、各企業より

「少し使いにくかった、使いにくかった」が50%以上

を占めました。

※グラフ参照
スクリーンショット 2019-02-26 07.04.30
その内容をみてみると

◇ 企業用振返りシートをどう使えばいいのか?分からなかった。
◇ 感想コメントを分けないほうが書きやすかった。
◇ 「求めたい資質/感覚/態度・姿勢」についての設問で、(1・2・3)の選択肢がわかりにくかった。最もよかった=3、なのか、一番良かった=1、なのか判断しかねた。
◇ 紙ベースなので、同じ内容でも一枚一枚記入しなければならず、時間が大きくかかってしまいました。紙以外でも準備があれば良かったと思います。
◇ 最初は思わなかったが、書き始めると短時間で状況を把握し、記入することが大変だった。

などのご意見が寄せらました。

次回以降、お書きいただく作業をできるだけ少なくするだけでなく、それぞれのシートの目的は何か、項目はなんのためにあるか、ということを精査する必要があります。
また、情報をしっかりと共有するために、事前の講習を充実したものにしていく必要があると感じました。
写真 チャレフェス2019-45

可能性を広げるために

今回、イベント後のアンケートを集計し、当初図りたいと思っていた企業様への気づきや、変化について、一定の実績を得ることができました。
それは、最初にピックアップした

Ⅰ、チャレキッズは成長する。
Ⅱ、 チャレキッズには(就労において)可能性がある。
Ⅲ、彼らと関わることが社員の学びになる

ということです。

引き続き、各社で芽生えた気づきやモチベーションを次に活かすべく、工夫できるポイントを改良し、さらに気づきや喜びが増幅していけるように取り組んでいきたいと思います。

その中でも、特にチャレンジしていきたいのが、、、

各企業の現状に合わせたソリューションをご提案すること

関わってくださっている企業は、それぞれチャレキッズに関わってくださっているモチベーションが異なります。具体的に言うと

a:障がい者雇用をこれから行っていきたいと思っている企業
b:既に障がい者雇用を行っている企業で、更にブラッシュアップしたい、もしくは行っているノウハウを他社に伝えるという形で社会貢献を考えてくださっている企業。
c:まだ雇用はできないが、社員の学びと共生社会の実現に寄与する企業でありたいと考えている企業
d:就労支援事業などとの関わりがあり、福祉的な活動を行う企業

があります。
各企業の現状、求めていることが異なるので、それに合わせた取り組みをご提案していく必要があります。
なので、ワークショップの設計や評価についても、そこここに合わせたものが必要だと感じました。
そして、具体的に障がい者就労を実現したいと考えている企業にはそのマッチングの実績を生んでいきたいと思います。

写真 チャレフェス2019-3
(※ワークショップ提供企業の皆様と)

今回、多大なお時間と労力と費用を捻出いただきご参加いただいた各企業の皆様に、心より御礼申し上げるとともに、
さらに学びの多い取り組みに成るよう、改善に取り組んでまいります。
引き続き宜しくお願い申し上げます!
お力添えいただきましたご協賛企業様、ワークショップ提供企業様の一覧はこちら

続いては「参加者の皆さんについて」のご報告です! リポート②参加者篇はこちら

2019-02-26 | Posted in blog, スタッフブログ, 仕事体験記No Comments » 

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