【リポート】8月6日(金)おしごと体験《 屏風づくりのお仕事》〜倉谷翠泉堂様〜
日本伝統の技を体験する
今回は、「屏風づくり」のお仕事を体験させていただきます!
お邪魔しましたのは、福岡市西区姪浜にある「倉谷翠泉堂」さん。
教えてくださったのは倉谷知恵子さんとしょうこさん。
日本家屋に使われる、襖(ふすま)や障子(しょうじ)、掛け軸などの「表具(ひょうぐ)」などを手がけていらっしゃいます。
表具って何?
というところからになると思いますが、
表具とは
表具(ひょうぐ)とは、布や紙などを張ることによって仕立てられた巻物、掛軸、屏風、襖、衝立、額、画帖など。または、それらを仕立てること。仕立てることを表装(ひょうそう)とも称する。
表装を職業としている人を、表具師(ひょうぐし)または経師(きょうじ)という。表具師の主な仕事内容には、掛軸、屏風、衝立、額、画帖、巻物などの修理をはじめ、襖の新調、張替、障子貼りなども含まれる。古くは表補絵師(ひょうほうえし)と呼ばれた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ということで、ここにもあるように、巻物、掛け軸、屏風、襖などの和風の日本家屋に用いられていた内装品のことです。
最近は和室のない家も増えてきましたが、ここには大変美しい、工夫の凝らされた日本の技があります。
今日はその日本の伝統に触れるお仕事体験です(^ ^)
屏風について
最初に倉谷さんから「屏風」について、その仕組の説明などをいただきました。
屏風はどのようにできているか、どんな仕組みで閉じたり開いたりするかなどの説明を受けました。
その作りやしくみに大人のほうが「へ〜〜〜!」と生っていました(^ ^;9
最大の特徴は板と板がつなぎ合わされている箇所、蝶番の部分です。
よくよく見てみると、この蝶番が表からも裏からも動く仕組みになっているのです。
扉の蝶番をイメージしていただければわかると思いますが、普通扉って、どちらか一方にしか開きませんよね??
それが、両方から空いてしまうんです。
なんで???
なんと、そこには蝶番に紙を利用するという、アイデアがあるのです。
丈夫な紙で板と板をつなぎ合わせることで、上部で、かつ、動作範囲の広い、蝶番ができるのです。
摩訶不思議!!
そんな不思議なからくり屏風、早速作ってみましょう!
切って、貼る、その工夫
まずは材料となる厚紙に蝶番の部分でもある色付きの和紙をちょうどよい長さに切っていきます。
さいしょはただの模様としての帯かと思っていましたが、これがからくり屏風の蝶番の役割を果たすのです(^ ^)
続いて糊付けです。
昔ながらの糊(のり)を固めに、時には水で溶いて柔らかくしていきます。
その硬い糊と柔らかい糊を使い分けながら、今度は色紙を厚紙に貼っていきます。
このときも空気が入らないよう、慎重に行うことが大切です(^ ^)
そして、完成です!!
開いて、閉じて、また開いて、次々と現れる違う景色の表紙にみんなうれしそう(^ ^)
日本伝統の技術を伝える、まずは「遊び」から
その後、倉谷さんに様々な道具を見せていただきました。
下の刷毛は、表層の際の「裏打ち」に使用する刷毛だそうです。
裏打ちとは、和紙などに描かれた作品を展示する際に、その強度を増すため、保護のため、伸縮を防ぐためなどの目的で和紙を裏から貼ってさらにその裏打ちを重ねて行く作業です。
大きなこの刷毛で、糊付けされた作品と表紙(和紙など)を裏側から「ダンダンダン!」と力強くうち打ち付けることで繊維の隙間に素材が入り込み、薄くて上部な形に仕上げていきます。
2つの刷毛は種類が違うのかな?と思ったのですが、そうではなく、長い方はここ数年間に使用してきたもので、短い方は50年間使われてきたものなんだそうです。
叩いて使うので、毛先が曲がったり弱くなると刈り取ってまた使用する。鉄板焼きの鉄板、板前さんの包丁、そんな感じでしょうか。
職人の技には驚きが満載です。
いろんな日本の素晴らしさを教えてくださった倉谷翠泉堂さん。
指導してくださった倉谷さんは「こういった技術はまずは遊びから、興味を持ってもらうことから始まります。固く考えず、気軽に遊びに来てもらえると嬉しいです」そうおっしゃってくださいました。
貴重な時間と技をたいけんさせていただき、ありがとうございました!