福岡発!発達障がいや知的障がいのある子ども達の夢を叶えるプロジェクト

ジョブスタディリポート① 〜就労に必要な3つのチカラ〜 株式会社LITALICO 九州エリアマネージャー 田尻 博美さん

平成30年7月15日(日)9:00〜13:00、福岡市中央区荒戸にある、「ふくふくプラザ」で、今年度最初のジョブスタディが開催されました。
ゲスト講師に 株式会社リタリコより、九州エリアマネージャーの田尻博美さんATUホールディングス株式会社の岩崎龍太郎代表取締役をお招きしてお送りいたしました。
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チャレキッズのご紹介

最初に簡単なチャレキッズのご紹介をさせていただきました。
お仕事体験をきっかけに、こどもだけでなく、大人や企業が「気づき」を得る、このジョブスタもそういう位置づけで展開させて頂いております。
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田尻さんのお話

さて、いよいよ田尻さんのお話です。
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LITALICOとは?

LITALICOの業態の説明からスタートした田尻さんのお話。LITALICOでは、子供から大人まで、発達に遅れのある方々の暮らしや働くをサポートする取り組みを行っています。
田尻さんはその中で「LITALICO WORKS」という、就労移行支援事業に従事していらっしゃいます。
対象とされているのが、発達に特性のある18才以上の方々で、就労後のサポートもなさっていらっしゃいます。
話題は、「障がい特性について」へ進みました。
ここでは「発達障害」と言われるもののがどのような特性で構成されているかの説明がなされました。
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事例をふまえてディスカッション

お話は、田尻さんがこの世界に入ったきっかけのお話や、対象とされているコミュニケーションに困難さを抱える方々の特徴のお話をご紹介いただきました。
そして、実際に支援された方の事例をピックアップし、みなさんで、この方に起こった事柄の背景を考える取り組みを行いました。

幼い頃に発達障害の診断を受けたものの、そのことについての受け入れが家族側で行われず、
特に厳しい父親はそれを認めず、しつけによる教育で矯正できると考えた。
大学に進学しながらも、様々なシーンできつくしつけられた当事者は自己肯定感を感じることが出来ず成人。
二人いる、兄と姉は成績優秀で、有名大学に進学。大企業に勤める父親も同じ大学への進学を希望。
しかし、入学できず、他大学へ進学。
就職について迷いもあったが、両親は早くの自立を希望。
就職先に対しての相談も受けてもらえず、自分で決めなさいと自立を促される。
さらに、就職1年後には家を出るように、また実家に仕送りもするように要求される。

そんな風に急かされて就職した先では、対人関係に悩み、注意を受けるも、何が悪いのかが理解できない。
そんなことが繰り返され、ある日、会社にいけなくなったという。
就職して1年6ヶ月後のことだった。

この事例をもとに各テーブルで、生育歴や家庭背景にもフォーカスして、なにが彼女の離職を招いたのかを話しました。
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☆20年前、療育という認識もまだ行き渡らず、子育てのほうに父親が不参加。コミュニケーションが希薄
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☆できない理由を本人に求めている。なぜできないんだ、と言い続けてきたので、自己肯定感が低い。
そのため、ちょっとしたことでやめてしまう。
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☆お家が厳しく、一親が大企業づとめ、母親が専業主婦。障害を受け入れられないご両親。
本来はご両親の理解のもと一緒に支えてもらうことが必要では?
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☆自分の事は自分で決めなさい。と言いつつ、結果には縛りを掛けている。言っていることと行っていることがずれている。
二重構造になっており、疾患になりやすい環境。
☆ 療育が必要、と言われたことがきっかけで、「ちゃんとしなくては」という親の意識が働き厳しくなったのでは?

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など、様々な意見が出ました。

就労に必要な3つのチカラ

事例についてお話し、田尻さんの考える「就労に必要な3つのチカラ」は以下の内容という風に伝えていただきました。

①自己肯定感を高める働きかけ  ➡️ 成功体験ができる環境を一緒に作る

②自己理解ができる環境の充実  ➡︎ チャレンジする機会は一緒に作る

③相談ができる人がいる環境づくり ➡︎ 困った時は一緒に考える。

自己肯定感高さ、低さについて、それぞれの経験を訪ねた所、

☆自己肯定感高い ⇛ 褒められる機会が多い ⇛ 承認される機会が多い ⇛ 指導・助言を受容できる

☆自己肯定感低い ⇛ 意思決定機会が少ない ⇛ 承認される機会が少ない ⇛ 注意を受ける機会が多い

ということがわかったそうです。

また、社会経験の多さ、少なさについて分析してみると

自己肯定感低い 自己肯定感高い
社会経験多い 社会経験を無理強いされ、注意を受けるなどつらい経験をする。 アルバイトなどの経験、共同での活動を通じて振り返りをする。
社会経験少ない 親が変わりに決定することが多く、黙って従っている。  例:資格取得・PC検定などの取得により「PCが得意!」が強化される
固定観念を取り除くのに時間がかかる

 

こうやって見てみると、「環境」がとても大切であると思えてきます。
相談できる環境、挑戦できる環境。

一番身近な社会でそれが叶うのが「家庭」であり、親御さんの理解という事が大きな要素になります。

将来働き続けるため、働く素地を作る、というのに必要なのは「環境」と言っても良いかもしれません。

その後はABC分析(応用行動分析)などのお話や、振り返りの重要さ、見通しを立てる、得意不得意をきちんと把握する、など、本人が
気づいていくチカラについてのお話でまとめていただきました。

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次のパートでは、もうひとりのゲスト、ATUホールディングスの岩崎社長のお話へ続きます。
続きはこちら

次回のジョブスタディは、2018年8月17日(金)15:00〜18:30

次回のジョブスタディも熱い内容でお届けします!
テーマは「人を活かす経営とは」です。
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2018-08-05 | Posted in セミナーNo Comments » 

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