福岡発!発達障がいや知的障がいのある子ども達の夢を叶えるプロジェクト

株式会社障がい者つくし厚生会を見学させていただきました!

チャレキッズ事務局の市原です。
先日障がい者雇用企業見学ツアーの第一弾として、9月14日(水)に大野城市にある株式会社障がい者つくし更正会におじゃましましたのでその報告です!
このツアーは障がい者雇用を検討しているけどいろいろ不安…といったような企業のみなさまを対象に、実際に現場を見ていただき、現在困っていることを解消する材料にしていただくことを目的に行いました。

つくし更正会はどんな会社?

つくし更正会さんは、ゴミの分別やリサイクル業務を行う産廃物処理のプラントです。
障がい者の雇用をかかげてはじまった会社で、現在社員数37名中、31名の方が知的障害、精神障害、肢体不自由などなんらかの障がいをかかえておられます。
なぜそんな高い障がい者雇用率が可能になったのでしょうか。

まずはじめに那波専務から会社概要について、ご説明頂きました。
那波専務

つくし更正会は、障がい者雇用という言葉がなかった30年以上前に障がい者の働く場所をつくりたい、と先代がはじめた会社だそうです。
まさにパイオニアですね!

働く障がい者との出会い

実際に会社内の見学もさせていただきました。
見学1

行く場所、行く場所で社員の方が仕事の内容についてご説明してくださるのですが、どの方も明るい!
実は精神障害や知的障害を持っていらっしゃる方ばかりだそうですが、説明をきいている限りなにが障害なのかわからないくらいでした。
もちろんきちんと仕事の説明が出来るようになるまでには、時間がかかるそうです。
まず信頼関係をつくって、その上で少しずつ自信を積み上げることで人前で話が出来るようになるまでに成長されるそうです。

下の写真ですが、液体がはいったまま捨てられてしまった瓶を洗っていらっしゃるところです。
見学2全員が瓶を洗って出せば必要のない仕事だけれど、みなさんはこの手間をかけることで最終処理場がきれいに保たれることを
理解して作業されているそうです。

実際に他地域の最終処理場はにおいが出て烏に荒らされているケースも多いそうですが、つくし更正会の最終処理場は本当にきれいでした!もはやただの更地ですね。笑

なによりびっくりしたのが、最終処分場のすぐ隣に民家があったことです。
民家の方は、つくし更正会の仕事のクオリティを信頼して住んでいらっしゃるそうです。

障がいのある方ばかりが働く会社で、普通の健常者が働く他施設より圧倒的に高いクオリティを維持しておられます。
職場の雰囲気もすごく明るくて、ぜひかっこいい社員の方々をもっと多くの方に見ていただきたい!と強く感じました。

見学のあとは、感想&質問タイム!
見学4

ご参加いただいた企業のみなさまから、様々な質問がありました。
そのひとつひとつに那波専務、丁寧にお答えくださいました。

今日のつくし更正会が出来るまで

つくし更正会は、”障がい者”と会社の名前についているけれど、補助金などは受けず顧客が仕事に対して支払うお金だけで社員の方のお給料も含め運営費をまかなっているそうです。
ここに障がい者だからなにか優遇してもらうためにやっているわけではない、という強い自負を感じました。

こんな風になんだかすごいつくし更正会ですが、那波専務も中途入社当初は障がいのある方との関わり方がわからず大変苦労されたそうです。

最初は正直なところ、「話がつうじない」とか「作業が遅い」とか思いながら、関わっていたそうです。
しかしある日、つうじない理由がわかっていない自分が悪い、と気づいたそうです。
たとえば今は表現力があまりない人は、この人にあった教育を受けてこなかったのだ、とわかるそうです。
つくし更正会がこんなに活気があって仕事のクオリティが高いのは、まさに
「その人にあった教育をしている」
という一言につきるのかもしれません。
那波専務は障がいや福祉の勉強はまったくされておらず、ただ一人一人と関わる中でその人にあった関わり方を見いだしていくのだそうです。
那波専務2

障がい者雇用を促進するためのポイントは?

企業様の質問の中に、「実際に障がい者雇用をこれから行う会社はどのようにしたらよいか?」
というものがありました。
那波専務はそれに対して実習期間を設け、お互いに「なじむ期間をつくる」という提案をされていました。
また学校の先生などと連携を組みながら、その子の情報を得て教育していくというのも有効な方法だそうです。

現状多くの企業では、障がいのある方の受け入れ態勢が出来ていません。
那波専務は「みなさんは彼らのことを知らないからです。」とおっしゃっていました。
まぁそれも当たり前のことで、経営する側から考えるとよくわからない人を雇うのは不安ですよね。
そのためにも障がいだけでなく、一人一人の個性を知ろうとすることが雇用のはじまりなのかもしれません。
そしてなにより健常者の側も覚悟を決めて、彼らと人としてきちんと関わろうという決断をすることが大切なのだと感じました。

現在障がいのある方は、潜在的にいる人も含めると人口の10%もいらっしゃるそうです。
工夫をするときちんと働けるのに、そんな人材を除外してしまうのは本当にもったいないことですよね。

信頼がベースにあって、仕事のクオリティも高い、という企業としてもっとも理想的なサイクルが出来ている会社だと感じました。
本当に見学できてよかったです。
那波専務、つくし更正会の社員のみなさま、本当にありがとうございました!!

2016-10-09 | Posted in blog, イベント, スタッフブログNo Comments » 

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