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【リポート】11月5日(土)おしごと体験《 博多独楽制作のお仕事》

ものづくりのお仕事

2年ぶりの開催となりました、「博多独楽制作のお仕事体験」。博多の伝統工芸であり福岡県の無形文化財です。
「NPO法人 文芸想伝会」の皆さんのご協力により、実施させていただきました。
普段は博多にある伝統工芸館などで絵付けの体験を行っていますが、那珂川にある工房にお邪魔させていただきました。
教えてくださったのは筑前博多独楽20代目、筑紫珠楽(ちくししゅらく)さんと松本さんです。
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最初に“博多独楽とは何か”について教えていただきました。
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筑前博多独楽

独楽の歴史は古く、古代エジプトからあるそうですが、お正月の歌に出てくる「お正月には凧上げて、コマを回して遊びましょう〜♪」の独楽は江戸時代に流行した博多発祥の「筑前博多独楽」だということです。
実に400年以上の歴史があるという博多独楽ですが、最初は独楽同士をぶつけ合う喧嘩独楽が人気となり、その後、天皇や将軍家などでも披露する曲芸独楽へと進化したそうです。
現在は、20台当主宗家三代目筑前珠楽さんが曲芸とともに独楽制作の技術を引き継いていらっしゃいます。
( 福岡県無形文化財第一号指定)
博多独楽 画像

そんな、歴史のある博多独楽の制作過程を見学させていただきました。

独楽はもちろん木からできているのですが、輪切りにした木を削るとき、“どこに重心があるのか”、を見極める必要があります。
「え?木ってどこも同じ重さじゃないの?」と思ってしまいますが、実は異なります。
木は“年輪の幅の狭いほう”が“重い”のです。

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また、木の中には「節」がある箇所もあります。
そこも見つけて削ったりしながら、独楽の本体を削り出していくんです。

コマの形成

早速独楽の成形作業にかかります。
大きな鉄の機械に独楽の元となる木材をセットして、慎重に、かつ手早く形作っていきます。
側から見ていると、スイスイ削り出し、形になっていく姿は美しく、とても軽やかに見えます。
しかし実際は「熟練している職人さんだからこのようにできるけど、初めての人がやると、こまや道具が回転に負けて飛んでいってしまいますよ」とのことでした。
何事も簡単そうに見えるのは熟練の証、なのですね。
形ができたら、今度は滑らかさを出すために表面を削っていきます。

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形ができたら、独楽の真ん中に鉄の心棒を打ち込みます。
博多独楽はこの「鉄の心棒」があることが大きな特徴となっています。
これがある事で、安定して長時間回ることができる「曲芸独楽」として発展することができました。

絵付け体験

続いては独楽の絵付け体験です。
博多独楽の特徴の一つ、それは美しく、濃い、線で描かれた紋様です。

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ろくろに載せ、回る独楽の上に、泥絵具を付けた筆を落とし色付けを行っていきます。
削り出した独楽の上に筆を置いた瞬間に「パッ」と独楽の上に色がつく。
その瞬間は何度見てもドキドキします。

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色を選び、水筆で練習をした後、選んだ色を筆につけ、こまに模様を入れていきます。
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3色の色使いには、作者の気持ちや性格も表れると言います。
慎重に、線の太さを意識しながら筆を落とします。
木目を活かし、数本の線で構成するもよし。隙間をなるべく作らないようにたくさんの線を入れてもよし。
3色の使い方によって、独楽の模様は無限大に広がります。

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完成〜!回してみよう!

子どもたちのそれぞれの博多独楽が完成しました!
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それぞれの個性がキラリと光っていますね。
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独楽は完成してからその生命が輝き出す。僕たちの仕事は真剣に遊ぶことだ。というお話にとてもワクワクするものを感じました。
回すためにはコマに紐を巻かなくてはなりません。しかし、これがなかなか難しい。
巻き方にコツがあるようです。
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実際に回してみます!
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やった!回った!

独楽づくりのお話だけでなく、仕事への姿勢やこれからの過ごし方なども語ってくださり、大いに学べた今回の体験。
チャレキッズにとっても素晴らしい体験になったのではないかと思います。

ご指導くださったNPO法人文芸想伝会の松本さん、そして珠楽さん、素敵な体験をありがとうございました!
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