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リポート④【お仕事チャレンジフェス2020】〜 企業アンケートより〜

企業の目線で見たチャレンジ・フォーラム

今回のお仕事チャレンジフェス2020では15社のワークショップが一同に会し、合計117名の若者にお仕事の体験を提供いたしました。
お仕事チャレンジフェス2020 参加企業集合写真

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各社仕事の一部をワークショップとして切り出し、参加者を受け入れ、ご指導いただき、全体共有の「チャレンジ・フォーラム」にご参加いただきました。
フォーラムでは、参加者の感想、受け入れ企業の感想とともに、障がい社雇用を進めている企業の実体験も聞ける内容でした。
ご登壇いただいたのは、ASKULLOGIST株式会社 福岡物流センター副センター長、坂井博基氏、株式会社障がい者つくし更生会の専務取締役、那波和夫氏、ATUホールディングス株式会社の代表取締役、岩崎龍太郎氏です。
登壇企業のお話は、障がい者雇用を目指す企業にとっても、一般の方にとっても大変刺激のある内容だったと思います。

そこで、まずはこちらの質問

フォーラム登壇企業のお話で印象に残っていることは?

「三社とも絶え間ない努力と経験の積み重ねの上で、現在の雇用体制を作りあげていることを知った」
「雇用に対する意識、行動、問題を改善していくために絶えまぬ努力、協力が必要だと再認識した」
「心のこもった”温”かい視点と、冷静かつ客観的な”冷”たい視点が重用」
「障がい者雇用のことを「大変」から「ナチュラル」に変えていくことの重要さ」
「問題が起きた時、事実に焦点を当てる(感情は考えない)」
「障がい者にできない仕事の方が少ない」などの答えが寄せられました。
「就労の準備ができている人を迎え入れることというお話に、納得をいたしました」
「全職種対象に業務内容の確認する事」

など
障がい者雇用に対する考え方や向き合い方のヒントを得られたという回答が多くありました。
リポート③では登壇企業が話してくださった内容の一部も掲載していますのでぜひ御覧ください。(リポート③)

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この中の「就労の準備ができている人を迎え入れることというお話に、納得をいたしました」については、参加企業より

「障がいのある方を採用するきっかけと最初に行ったきっかけとタイミングを聞かせてもらえますか」

という質問への回答から来ています。

障がい者雇用のきっかけとタイミングは?

◆坂井氏

坂井氏、きっかけは法定雇用率。従業員数も増えていったので、障がい者雇用をしなくてはならなかった。
一般求人で採用した聴覚障害のある方を採用したことが一番最初だった。
しかし失敗した。
その方は3ヶ月で退職した。それが失敗したとわかったのは数カ月後。
自社の前を引っ越しで退職したはずの彼が自転車で通り過ぎたからわかった。
引っ越しではなく、何かがいけなかったんだ、と思った。
これを変えていかなければならない、1人、2人を雇用するのではなく、
30人でも雇い入れていける仕組みを作らなくてはならないと思ったのがきっかけだった。

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◆岩崎氏

障がいのある方でも殆どの仕事はできます。
もちろん適性はありますが。
ただ、就労の準備ができている人を雇ったほうが良いと思います。
実は障がいのある方で就労している人の中には、就労の準備ができていない人も結構いる。
どんな準備かというと、基本的な生活においての準備が整っていないなどのことです。
例えば、寝る時間が遅い人。早く寝すぎる人、規則正しい生活ができていない人です。
そうなると、仕事中眠くなるし、きつくなるし、続けることが難しく、精神的にもきつくなる。
そういった、規則正しい生活が送れるなどの基礎的なことが整っている人を一つの基準とすると良いと思います。

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また、

障がいのある方との職場づくりでは人間関係やその方の特性によるトラブルも発生しやすいと思いますが、それらはどのように解決していっているのでしょうか?

という質問に対して、

◆那波氏

それぞれの立場から事実関係を聞き出す。この時ポイントとなるのは、感情や憶測は入れないようにする。
事実だけを収集していった上で、困った反応(トラブルとなった反応)をした原因を考える。
どうしてその時、困った反応(トラブルとなった反応)を選んだのか。
もしかすると、その人は別の選択肢を持っていなかったのかもしれない。
その選択肢を提示してあげる。すると「そんな選択肢があるんですか?」となる。
それを「知りたいか?」と尋ねると「知りたい」となる。
なぜなら、本人もトラブルを解決したいから。
あくまでも本人が「知りたい」ということを提示していく。
こちらが正しいと思う考えを押し付けるのではなく、本人が知りたいと思っていることを伝えるほうが、納得感が高いから。
その上で、別の選択肢を提示する、そして「なるほど!そういう選択肢があったのか!」となる。
それを実行するための支援を行っていく。
そして、その選択肢が実行できた時、それって誰のためになったんだっけ?と尋ねる。
トラブルが起こって困っていたのは自分だから「自分のためになっている」となる。
こうやって、自分のためになった、ということを必ず意味づけすることで、やらされている、押し付けられているのではなく、
自分が納得して良い関係や成長を図ることができていると実感できる。
そうやって、本人から望ましい反応や行動を引き出していくことで、本人も成長していることを実感でき、本人が居心地の良い職場環境を作ることができます

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こういったお話をみなさんと共有することで、企業の皆さんからは今後の活動の中で、障がい者雇用促進に向けた課題解決の方策として


「ワークショップの意味を伝えること」
「障がいのある方との関わりを増やすこと」
「お互いにメリットのある仕事を切り出すこと」
「障がい者雇用に向けてのイメージの共有」
「保護者の意識を変えていくこと」

などの回答が得られました。

参加者との対話の中で 

企業のみなさんが参加者と共有した事柄のなかでは、
就労に向けての不安を感じていらっしゃる方が多くいることがわかったという発言が多くありました。
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・解決、改善の手立てができず、問題が継続している状態の方々が多いと思った。

・保護者の方々も不安や期待など気持ちが入り混じって遠慮している感があった。
・参加者の悩みの深さと真剣さ

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併せて、ワークショップに概ねみなさんが満足していること、子どもたちがみんなの前できちんと意見が言えていることに刺激を受けたなどのお答えがいただけました。


リポート③でもご紹介しました、参加高校生の言葉に感動したという企業も多くいらっしゃいました。
→(リポート③)
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参加企業が目指すもの 

昨年から実施しているお仕事チャレンジフェス。
参加者と企業がともに情報交換し、気付きや学びを得ていくものですが、此処から先をどうしていくかが今後の課題となってきます。
フォーラム時に保護者の方からも出たご意見

「特別支援学校のことをもっと知ってほしい、実習の受け入れを拡げていってほしい」

チャレキッズでは、特別支援学校と連携し、法人会員企業への実習の受け入れのコーディネートもスタートしています。
企業はお仕事体験の受け入れや企業見学会、セミナーなどを受講していただくことで、障がい者雇用に対しての準備を社員の方に整えていただきます。
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今後も、特別支援学校との連携を進め、しっかりと実習期間を設けることで、お互いにとって良好な関係の職場づくりを目指します。
チャレキッズの活動に関心のございます企業の皆様、特別支援学校の皆様、ぜひ、誰もが幸せに活躍っできる職場づくりを目指してまいりましょう!

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( リポート⑤に続く )

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