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【 リポート 】8月25日(日)お仕事体験《めんたいこふくやさんの一日店長 》

めんたいをうみそだてた「ふくや」さん

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今回は株式会社ふくやさんご協力のもと、「明太子ふくや1日店長」に挑戦です!
お邪魔したのは小田部店。
軽食スペースでは新鮮な海の幸を使ったお料理の提供もなさっている店舗です。

3名のチャレキッズに任命証の授与

今回は3名のチャレキッズが参加です。
一人ひとりにスタッフの方がついてくださり、一日店長の任命証を授与いただきました!
こども店長の目印となるエプロンを着て…
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それでは、それぞれ分かれて1日店長のおしごと体験、スタートです!

提出用 ふくや さま1908-9
 

 

いろいろこなす、店長さんのおしごと

 

めんたいこの歴史を知る

お仕事を始める前に、自社の商品のことを知らなくてはなりません。
店長の岩崎さんよりから明太子の歴史をレクチャーいただきました。
そして、一日の流れの説明。
こちらでは飲食店も運営なさっているのでそのご紹介も。
そしてふくやさん、販売しているのはめんたいこだけではありません。
提出用 ふくや さま1908-3
 
カレーのスパイスセット。匂いを嗅いでみます。
他にも、お菓子やアイスなども販売しています。
さあ、いよいよほんばんです!

商品陳列

商品を並べるおしごともします。

商品が足りなくなったら、保管場所から商品をとって、補充します。

とっても綺麗に並べています。

途中からチャレキッズ自ら「これが少ない!」と言い、
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商品を保管場所へ取りに行き、

追加します。

賞味期限の確認も忘れずに!

商品の袋詰めも体験しました。

びんのジュースを袋に詰めます。

ラベルが前を向くように…

このような作業の1つひとつに意味があるのですね!
ふくや 1908-1
 

お客様へのお茶出し、試食品案内

商品の説明を受けたら、次はお客様への声かけに挑戦です。

商品配送の手続きをしているお客様に、お茶出しと試食品案内をします。

こぼさないようにそーっと持って行って、
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「ほうじ茶と今月のおすすめ商品です」

しっかりと声かけができました。

お客様の笑顔が見れました。

それを受けてチャレキッズもにっこり!
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お会計・お見送り
商品を購入される方の対応もします。

レジに入り、バーコードで商品を読み取ります。

まずは、お釣りをお渡しして、

最後に、商品を袋に詰めてお渡しします。

「ありがとうございました」と声かけも忘れずに!

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海食べのすゝめ
飲食ゾーンは「海食べのすゝめ」という名前です。
旬の海のさk地が美味しいお料理となって提供されています。
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今回はここでもおしごと体験をさせていただきます。

 

 

めんたいこを切る

お客様に提供するめんたいこを切る体験をさせていただきました。
髪の毛が落ちないようにしっかりと帽子をかぶり…
手もしっかり洗って…

厨房に入らせて頂きます。

めんたいこを取り出し、同じ大きさに切っていきます。

切り終わっためんたいこは、びんにいれて
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これがそのままお客様に提供されます。

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お茶出し、お料理提供の準備
続いて、いらっしゃったお客様にお茶出しの準備です。

まずは、コップにお茶を入れます。

ポットが少し硬いかな?スタッフさんに手伝っていただきます。

お茶を入れたら、お客様のところへ持って行きます。

今回は、チャレキッズの家族にもお茶出しをしました!
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その後は注文を受けます。

注文を厨房に伝えたら、トレーの準備。

お箸やお漬物などをのせていきます。

ちっちゃい子向けのトレーの準備。男の子はブルー、女の子はピンクのものを用意します。

最初は持ち手を左側に向けて置いていたチャレキッズ。

スタッフさんに教えていただき、持ち手を右側になおします。

こういうちょっとした気遣いも学んでいきます。

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そして、食べ終わった食器は洗って、食器洗浄機へ!
油ものとそうでないものとに分けて、効率よく洗っていきます。
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それにしてもチャレキッズのメンバーみんな、真面目に黙々と働く働く!
ふくやのみなさんも「ちゃんと出来てるね!」ではなく「助かる!」というコメント。
すでに戦力となっておりました!

お仕事を終えて 

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c1fa160c3d93d8ba05eb0b7a65e7b5fd7_45937419_190923_0263あっという間のお仕事体験、ご褒美にソフトクリームを頂き、ふくやのめんツナかんかんをオリジナル包装させていただきと思い出いっぱいです。

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そして体験の感想をそれぞれからいただきました。
それぞれの体験での楽しかったところ、難しかったところなどをお話しいただきましたが、みんな難しくはなかった!という感想。
それくらいみんなテキパキとお仕事をしていました。
中には「周りのみんなも頑張っていた」という自分以外のメンバーの働きっぷりをみていたお子さんもいました。
最後に、修了証をいただき、みなさんの頑張りを称えていただきました!
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そんな感想を聞きながら、メンバーも皆ほっこりしておりました。

受け入れてくださったふくやさんの感想

今回受入をしてくださったふくやの社員のみなさんからの感想では、思った以上にできていたこと、そして子どもたちの意識が高く、戦力として役に立ってくれたことが挙げられました。
受入前は不安などもあったそうですが、一人ひとりと向き合ってくださり、それぞれのチャレキッズとコミュニケーションを取りながら進めてくださったことが、子どもたちのやる気や安心感を引き出したのではないかと思います。
素晴らしい体験を提供いただいたふくやの小戸店の皆さん、ありがとうございました!
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【リポート】 9月7日 ドッグトレーナーのお仕事体験《アニマルリンク・バウワウ》

9月7日(土)11:00〜12:30アニマルリンク・バウワウさんにてお仕事体験を開催させていただきました!今回のお仕事体験は「ドッグトレーナーのお仕事」です!今回のねらいは3つあり、1つ目はドッグトレーナーのお仕事体験の現場を体験。2つ目は犬とのふれあい方、しつけの仕方、健康管理を学ぶ。3つ目は働くことの楽しさ、大変さを体感することでした。
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今回のお仕事体験を引き受けてくださったのはアニマルリンク・バウワウさん!アニマルリンク・バウワウさんではワンちゃんのお世話をする主な役割として家庭犬トレーナーと保育士があり、それぞれがワンちゃんを遊ばせたり、ワンちゃん同士の遊びを安全に見守りおやつをあげたりお世話をするお仕事やワンちゃんと一緒に暮らす上で困ってしまうことなどのお悩みを聞き、解決策をワンちゃんや飼い主さんに教える仕事があり、実際に体験させていただきました!
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トレーナーが教えているトレーニングとはどんなことをするのでしょうか?スタッフ犬・リリーちゃんと一緒に学んでいきましょう!
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次に犬の看護です。ワンチャンは言葉が話せないので飼い主さんが気づいてあげなければいけません。ワンチャンの健康チェックや鼓動を聞いてみます!心臓の音も聞こえたかな??
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続いてはトリミングしていきます!
トリミングの目的はもつれ・抜け毛を取り除き、シャンプーしやすくする。きれいな状態を長持ちさせるためなどなど!爪切りにも挑戦しました!
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今度は「よび戻し」です!よび戻しとは、ワンちゃんの名前を呼んでワンちゃんが飼い主さんの手元に来る流れのことをいいます。ワンちゃんの名前を呼んでよび戻してみましょう!戻って来てくれたらご褒美におやつをプレゼント!
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最後に保育帳を書きます。皮膚の状態や心臓の音は聞こえたか?毛はきれいになったか?名前を呼んだら来てくれたか?などの情報を飼い主さんと共有します!チャレキッズの皆さんしっかり書いてくれていて素晴らしかったです!!
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感想では、それぞれ体験で感じたことを発表してくれました!楽しかった!貴重な体験だった!など、みんな満足のいく内容となりました!
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最後に記念写真!!
アニマルリンク・バウワウの皆さま貴重な体験をありがとうございました!!
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2019-09-19 | Posted in blog, スタッフブログ, 仕事体験記No Comments » 

 

【リポート】西鉄バス運転士のお仕事体験 〜西日本鉄道株式会社〜

8月10日(日)、西日本鉄道株式会社 西鉄バス研修センター様のご協力の元「西鉄バス運転士のお仕事体験」を行いました。その様子をリポートしていきたいと思います!

毎年人気のバスの運転士のお仕事体験

今回ご協力いただいたのは、西日本鉄道株式会社 西鉄バス研修センター様。

実際に街を走っている西鉄バスを運転できることもあって、毎年人気のお仕事体験になっています!

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今回は7人のチャレキッズたちが参加。無事安全運転できるかな⁈

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簡単なオリエンテーションとバスのマナーに関するクイズが終わったあとは、はじめはバスの運転の前に行う業務です!

実際のバスを運転するために!

バスの運転士さんはみんなすぐにバスの運転が出来るわけではありません。

運転する前におこなう業務があります。

まずは室内で運転前におこなう業務をチャレキッズ達は体験しました。

アルコール検知体験。

ストローを通じて息を「フゥ〜〜」

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子供達はなかなか息を吐きつずけることは難しそう。

エラーになってしまいました。

点呼体験

点呼、上手に言えるかな?

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本日も安全運転で行ってまいりまぁ〜す!

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視力検査、運転士に必要な運動能力体験

様々な検査がありますね!

『深視力』といって奥行きを捉える能力を測る検査や

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とっさのブレーキの速度を図る『単純反応』

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普通に視力を測る検査もありました。

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保護者の方も興味津々です!

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ドライブシュミレーター

室内最後の体験はドライブシュミレーター

1人1台、実際にバスを運転する前の練習です。

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真剣に取り込む目は運転士そのもの!

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バスを運転する準備万端です!

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大興奮!バス運転体験‼︎

室内の体験が終わったら、みんながお待ちかねの西鉄バスの運転体験

今回、運転させてもらえるのは『路線バス』と『高速バス』

貴重な体験になりそうです✨

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最初は講師の方についても手伝ってもらいながら

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ある程度、慣れたら

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一人で運転出来るようになりました!

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一人で運転できない子はお母さんやお父さんについてもらって運転します

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貫禄がありますね♪

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最後は1日の体験の修了書をもらい、無事体験終了です。

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参加者したチャレキッズ達からは、「バスの運転が楽しかった」「カーブの運転が難しかった」など

楽しみながらも難しさを感じた一日でした。

企業の皆様も「最初は受け入れに不安だったが、お仕事体験を通じて子供達の可能性を感じることができた」との感想をいただきました。

最後に

今回の西鉄バス運転士のお仕事体験も大変盛り上がりました。

このような体験ができたのも、受け入れていただいた西日本鉄道株式会社 西鉄バス研修センター様のご協力のおかげです。

素敵な体験ありがとうございました!

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【リポート】PCを使った名刺作りat株式会社ヌーラボ

パソコンを使ったお仕事

チャレキッズで行っているお仕事体験で、最近人気なのはプログラミングや動画編集、イラストレーターなどパソコンを使ったお仕事です。
今回は、福岡のスタートアップを代表するIT企業、株式会社ヌーラボさんでのお仕事体験でした。
こちらで体験させていただくPCを使ったお仕事は「名刺づくり」です!
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ヌーラボのソフト“cacoo”での名刺作り

チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくするツール「 Backlog (バックログ) 」「 Cacoo (カクー) 」「 Typetalk (タイプトーク) 」を運営する株式会社ヌーラボ。現在、世界100万人以上のユーザーが愛用している人気ツールを開発する企業です。
その中の製品、「Cacoo(カクー)」は絵を描いてコミュニケーションするツール。こちらを使っての名刺作りを行います!
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自分の名刺と家族の名刺

今回参加するチャレキッズは4名。 
年齢も障がい特性もバラバラです。
その4人にレクチャーするということで、ヌーラボの社員さんがマンツーマンでついてくださいました。
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早速名刺を作成、最初に作るのは「家族の名刺」です。
そのため、同行してくださっているご家族、放課後等デイサービスの先生に情報を聞き取ります。
「何色が良い?」「どんな雰囲気が良い?」など、
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ご家族の写真も載せよう!

名刺には写真を掲載することもできます!
ということで、nulabのオフィスにあるルーフバルコニーに出てみたり(^ ^)

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お母様と一緒に写真をとって名刺に載せたりしました。
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つづいては自分の名刺!
次は自分の名刺の作成です。
自分の好きなものを綴ったり、デザインの中に好きなスポーツチームのカラーやデザインを入れてみたり。
弟さんのバースデーカードを作っている参加者もいました。

それぞれのデザインの希望を叶えるため、ヌーラボの社員のみなさんがふんとうしてくださいました。

本人の写真も天神の風景をバックにパシャリ!

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完成!〜お披露目 

完成した作品を皆さんに披露です!
デザインのポイントはどこか?
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どんなところに苦労したか?など、語ってくれました。
スタッフの皆さんからは
「途中からはどんどん自分のアイデアを出してくれて、ほとんど見守るだけでよかったです」
という、積極的だったことをお褒めいただきました。
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そういった積極性が出せたのもヌーラボの社員の皆さんのレクチャーとさりげないサポートがあったからですよね!

最後はみんなで記念撮影!!

参加者それぞれの個性がキラリと光る作品ができた今回のお仕事体験。
ヌーラボのソフト「Cacoo」を使って楽しく作成ができました。
なんとこの後、ヌーラボさんからは作成した名刺がどっさり届き参加者それぞれに郵送させていただきました。
貴重な機会と体験を提供いただいたヌーラボさん、今回もご協力ありがとうございました!

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【リポート②】 チャレキッズ&ゆあしっぷコラボセミナー《 働くをかんがえる〜博多ポチ丸氏〜 》

エアブラシパフォーマンス 

ここからはエアブラシを使ったパフォーマンスをしていただきながら、会場の質問に答えていただきたいと思います。

エアブラシのデザインのテーマは自分で考えますか?お客様より伺いますか?

ご要望を聞くことはある。思い出のものとか。
描いた作品に詩をつける、ということもやっていたので、その方を見てインスピレーションで描く。
共通のテーマとして、「夢を叶える」が伝わるような作品作りを心がけている。

絵は毎日描いているので、だれでもうまくなる。
お客さんは、絵かきは何でも描けて当然と思っている。
そのレベルは必要。
だから僕もこの世にある見たことのあるものは何でも描ける。

お客様からは無茶苦茶なことを言われることもしばしば。
「メルヘンなやつかいて」とか「1,000円くらいでなんかすごいの描いて」とか。
写真 チャレフェス2019-43
1,000円くらいで。。。
お客様のメルヘンって何かな?

僕はビジネスでやっている。
そこでの悩みは、生徒さんも同じだと思いますが、

絵を仕事として見られない。
テキトーに書いてよ。
無料で書いてよ、そう言われる。

そういうとき、言う言葉は、、プロでやっているので、
駆け出しの頃、、ちょっと書いてと言われたとき。
らーめん食い逃げすると?

アーティストは言わない事が多い。

しっかり伝えて、、、ビジネスとしてやっているわけなので、、
納得させることが大切。
お客様は知らないだけ、怒る必要がない。

特性でもあるが、すぐに腹を立てる。

ポチ丸2

自身の障がいについて、診断をうけられたキッカケは?

スクールで多くの方にビジネスについてやエアブラシについて伝えている。
その中には発達障がいのあるお子さんも多数通っている。
ある日、その子のお母さんから、「ポチもうちの子にとても似てるから、一度受診してみたら?」と言われた。
僕は信頼している人の話は聞くようにしている。
そのお母さんもその一人だった。
だから受けた。
結果は、ADHDとアスペルガーとの診断。
「だろうな」と思った。

これまでのアドバイスで、印象に残っている言葉は?

全てです。
モチベーションの上げ方、自分の信じ方、夢の叶え方、目標の持ち方、
すべて、色んな人から教わった。夫々の言葉が大切だった。
そして、そのために会いに行ったし、お金も払ったし、言われたことをやっていった。

彼らに共通していることは、「夢を否定をしない」ということ。

叶えられていない人のところに行くから「夢なんて叶えられないよ」と言われる。
叶えている人のところに行くと「夢は叶うよ」と言われる。

だから、自分から出会いに行かなくてはいけない。
自分から「出る」から「会える」。だから「出会い」なんだと。
自分から求めないと、人も情報も目標もキッカケにも出会えない。
ポチ丸 写真 2

休みの日はなにしてますか?

基本的に休みはない。
そして、ある意味、毎日が休みでもある。
そんな暮らし、どうやったらできるんですか?と聞かれる。
その時は、「好きなことを見つけることが大切」と答えている。
そして、それを仕事にすればいい。
好きなことで褒められる、喜ばれる、対価をいただける。こんなに幸せなことはない。

どんなことでもいい。
例えば、僕の友達にパチンコが好きなやつがいて、今、パチンコの実況でご飯を食べている友人がいる
ただ好きなだけで、働きもせず、ギャンブル三昧で借金だらけになっていたら、それは認めてもらえないが、
それで食べていけたら、何の問題もなくなる。

ぼくがもしニートで、親のスネをかじっていたら。
どんなにエアブラシがうまくても何もいえない。

でも、僕は絵で食べて、絵で家族を支えている。
そうなっていったら、何も言われない。言わせない。

お金をしっかり稼ぐことで、障がい者ではなくなる。
経済的な自立、サラリーマンの皆さんよりも稼ぐ。
そうすることで保護者の心配もなくなる。

だから、障がい者であっても、いや、障がい者だからこそ、しっかりと稼いで周りの人を喜ばせ、安心させることが大切だ。

世界的に有名なアーティストで好きな人は?

ピカソ。
なぜなら、生きているうちに売れたから。
ゴッホは死んでから売れた。
でも、生きているうちに売れるということが大切だ。

アートが売れるのには時間がかかる、そんなことを言うからだめなんだ。

もっとファンづくりやマーケティングについて、コミュニティづくりについての勉強をアーティストもするべきだ。

自分で稼げるようになるために、小中学生の頃からやっておくと良いことは?

僕の友達は全員社長・年収3000万くらい・

共通しているのは、お金の稼ぎ方を子供の頃から知っている。

バイクをモバオクで仕入れて、直して、高く売っていた。

教育の中ではそういった事は教えくれない。
それは自分から学んでいくしかない。

僕の場合は、自分のとくせいから学校に馴染めず、別の場所での友人がそういうことを教えてくれた。

例えば、ある日、友人が「ピンはねってしってる?」という会話が始まる。

社長が15,000円で受けた仕事を回して、自分がやったら8,000円。社長は何もせずに7,000円ゲット。
だったら自分で撮ってきて、15,000円得たほうがいいよね。
そんな話を聞かされていた。

ただ、働いてお金を稼ぐと行ってもいくつか種類がある。
・絶対必要なことで、受け取るお金と。
・奪って取るお金
・感謝されて受け取るお金
僕は、感謝されて受け取るお金を得ていきたい。
そのための工夫や仕組みをいつも考えている。
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起業したいという気持ちがあるが、どうするのが良いか?

参加者の方からの質問で、「現在障がい者雇用枠でサラリーマンをしているが、気持ちのどこかで“起業したい”という気持ちがある」という方から
どうすればよいか、という質問が来た。

特例子会社で正社員としての安定した立場もありがたいのだが、実は起業もしたく迷っている

今の職場では支援もあるのでなんとかやっている。
ただ、このまま65歳まで行けるのかもしれない、、と思いながらも、「それでいいのか?挑戦しなくてよいのか?」という自分もいる。

この質問に、ポチ丸さんからは、

解決策は、「サラリーマンしながら始める」ことという提案を頂いた。

副業として、リスクを少なくしてやっていく。その副職の給料を越えたら、会社辞めていいのではないか。

僕のやり方は、相当リスクがある。向き不向きがある。
僕の場合はこのやり方が合っていた。
ただ、企業についてはやり方や答えはいくらでもある。
全くリスクがない形、はないと思うが、その大きさはいくらにでも減らせる。

以前同じ質問をされていたら、「さっさとやめて路上からやればいいじゃん!」と答えていた。
ただ、やらない人はやらない。
自分でブレーキを掛けてしまう。

だからといって、やり方を共用すると、その子の良さを潰してしまう。

自分も強要されたとき、いやだったので。。。。

ただ一つ、やりたいなら、「期日」は決めたほうがいい。
「いつまでにこれをやります」ということを決めないとイケナイ。
決めない人はやらない。

僕はやったほうがいい、と言われたことはかなりやってきた。
その上で「やってみたんですけどできなかったんですよね」と聞きに行く。
すると「お前やったのか、珍しいやつだな」と面白がられる。

遠慮しないので話を聞く。普通の人は遠慮する。
こんな事聞いたら失礼かな、という思いがブレーキを掛ける。
僕の場合は特性もあり、気にしない、気にできない。
それが、プラスに働いてる。
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博多ポチ丸氏×ゆあしっぷ桑原代表・トークセッション

つづいては、NPO法人発達障がい者就労支援ゆあしっぷの代表理事 桑原由美子氏とのトークセッションです。

桑原
ポチ丸さんのお話を聞いていて、感心するばかりなんですが、発達障がいのある方の多くは、そんなにストイックに挑戦できない気がするんですが、
同じように発達障がいのある生徒さんはストイックだったりするんですか?

ポチ丸
僕の中ではストイックという感覚はないです。
周りがそういう人であれば、それがストイックではなくなる。
自分のやっていることが大好きな場合、どれだけやってもストイックではなくなる。

桑原
路上でやっているときはどんなふう?

ポチ丸
毎日日銭を稼ぐために一生懸命やっていた。
嫌なこともたくさんあった。
酔っぱらいに絡まれたり。警察が来たり。
何があったんだ?頑張れよ、という人もいた。
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一つの作品を1円で買う人もいれば、10万円くれた人もいた。
良いときは一日16万円売り上げた。

お金の価値って、人による。僕も学生時代の感覚からするとずいぶん違う。
そして、その時の心の持ち方でも変わる。
話を聞かせてもらった社長さんなどがおっしゃっていたお金に関する印象的な言葉は「プラスマイナスゼロ」ということ。
何に価値をおいているか、自分は人を喜ばせてお金をいただきたい。
今日のセミナーも僕にとっては挑戦。
僕の話でみなさんが笑顔になったり、勇気をもらえたりしたと言ってもらえると嬉しいから。
実はいま、育ての親である祖父が危篤になっている。
そばに居てあげたい、という気持ちもある。
でも、僕にとっては、今のこの挑戦も大切で、きっと祖父もそんな僕であってほしいと思っているはず。
もし祖父の病状のことで今日のセミナーをキャンセルしたりしたら、きっと祖父に叱らる。「俺のせいにするな」と。
祖父には言葉に表せないくらい助けてもらい、迷惑をかけた、感謝しても仕切れない。
だからこそ、人を喜ばせるために頑張ることが祖父の思いに報いることにもなると思っている。

特性からくる“苦手さ”への対応

桑原
収入源を複数設けているというお話でしたが、特性のある方の中には、細かな作業や管理が苦手な方も多いかと思いますが、
お金の管理などはどのように?
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ポチ丸
僕の場合は「そこ」が得意。
「そこ」とは何かというと、「苦手なことは人にお願いする」、という意味。
お願いできる人を作ること、そこにがすごく得意。

ビジネスの面でも、新たな手がかりを得るとき、通常のルートからではなく、トップと直接出会い、関係を築いて行く。
トップとの人間関係があって、そこから「お願いします」と言うことで普通入れないと言われているような案件も可能になる。
それは、大型商業施設や閉鎖的なお祭りへの出展など。

思うに、多くの方が「障がい」ということを気にしすぎている。
「神様からのギフト」、という考え方もある。
もちろん問題を起こしてしまったり、大変なこともあるが、その事により得られた出会いもある。
万人に好かれることは難しい。
そこを手放してしまえば、本当に楽しい。
僕のこと嫌いな人はいっぱいいる。
でも好きになってくれる人もいる。
世の中の人の殆どは無関心。
僕のことなんて誰も知らない。
好きとか嫌いとかで悩む必要はない。

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桑原
とても、胸のすくお話でした。
私も言いたいことは言ったほうが良いのではないか、と思いました。

ポチ丸
言ったことで踏ん切りもつくこともある。
フラれたから次にいける、ということもある。
マイナスなこともプラスに考える。
そういう考え方を身につけないと自分が苦しくなる。
こうみえても、実はメンタル面がすごく弱い。

桑原
マイナスをプラスに変えられるようになったのは?

ポチ丸
それは、高いお金を払い、セミナーに通い、社長に聞いて勉強したから。
最初はこうではなかった、むかしは「なんで俺をわかってくれないんだ!」という考え方だった。
「そりゃわかってくれるようなことをしてないじゃん」ということ。
超有名人になった気になったかもしれないけど、全然みんな君のことなんて知らない。
だから、まずは自分を知ってもらうこと、そのためにSNSなどを活用してやっていく。

桑原
会社経営する上で必要なアート活動以外でやっていることは?

仕事の経理などの面については税理士にお願いしている。
費用はかかるが、その分稼いでいく。
それと、僕のことをわかって、プレゼンしてくれる人を必ず作っていた。
人とは違うということをプラスに感じてくれる人を作っていた。
僕の場合、仲間はずれにされていた友人たちとの出会いが大きかった。
おすすめです。
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ターニングポイントについて

ここで、会場から質問が。

「聞いてて思ったこと。仲間とつるんだり、そのあと出会ったのがボクシング、その会長との出会いがターニングポイントとなったかなと思ったのですが、そこで目標、未来、というものをたてていいんだな、ということや、目標を立てることによりタスクを小分けしていくことなどのお話がでてきましたが。
小分けは昔からできていたのですか?」

ポチ丸
最初はできなかった。小分けは難しかった。
特性として、話していても、話がポンポン変わっていく。小分けしようと思っていたら別のことを考えていたり。
そういうふうにしないために、目標設定の仕方もきっちりとやるようにしている。

「出会われた方の中で「この人の話は聞ける、この人の話は聞けない」の分け方の基準はあったか?
聞いていると、「自分のことを理解してくれている人の話は耳に入る」という印象だが?

ポチ丸
実は25歳までは、社長の話しか聞かなかった。
それ以外の人の話には耳を貸さなかった。例えば、「サラリーマンの方」の意見は聞いていなかった。
20台後半になって変わってきた。
サラリーマンの方の話も保護者の話も聞ける様になってきた。

昔できなかったことが、だんだんできるようになってきている。
このセミナーもそう。
だから、これからもいろんなことができるかもと思えてきている。

もっと若い頃、幼少の頃は誰の話も聞いてなかった。
何か言われたら逆ギレしていた。
毎日帰りの会で言われていた。
いろんなことについて、捉え方が違っていた。
そのことで、自分自身が損するな、と思っている。

損するな、という内省ができるようになったのもココ最近。
自分のこの特性のせいで、大切な仲間が離れていった。

一番自分をわかってくれてた方に対し逆ギレして、傷つけることを言ってしまった。
失ってからわかっても遅いのだけれど。

そういった失敗を繰り返しながら、前に進んでいくのが自分にとっての成長だと思う。

ポチ丸さんのお話を通して

今回、博多ポチ丸さんのお話を皆さんに聞いてもらいたいと思った大きなきっかけは
「障がいがあるからこそ、障がいのない人よりも稼いでいこう」というポチ丸さんのメッセージに共感したからでした。
機能的な障がい、能力的な障がい、そして社会の中で被る不利益、障がいが合っても、3つ目の社会的不利益を被らなければ
多くのことはうまく回っていく。
つまり、「経済的自立」により、多くの社会的不利益(ハンディキャップ)は解消される。
ここを実現するためには、障がいのある方自身が自分の可能性に蓋をせず、できることからやっていく。
そして、そんな彼らをサポートする側も彼らに制限を掛けずに、見守り、応援する、その姿勢が自立できる障がい者を増やしていくことにつながると強く思った今回のジョブクエストでした。

博多ポチ丸さん、ゆあしっぷさん、ありがとうございました!

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【リポート①】 チャレキッズ&ゆあしっぷコラボセミナー《 働くをかんがえる〜博多ポチ丸氏〜 》

エアブラシアーティスト博多ポチ丸氏

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令和元年7月7日、チャレキッズとゆあしっぷさんとのコラボ企画で実現した、企画『働くをかんがえる〜博多ポチ丸氏〜』を開催しました。
もともと、2月に開催したチャレキッズフェス2019にご参加いただいたことがキッカケで、ボランティアをしてくださっていたゆあしっぷの皆さんの目にとまり、その生き生きと自身の特性を武器にして起業されている姿に「ぜひお話が聞きたい」ということで企画に至りました。

ポチ丸さんが診断を受けたのは大人になってから、ということですが、どのようなキッカケで診断を受けることになったのか。これまでの歩みはどのようにされてこられたのか、いろいろと伺わせていただきました。
そんなポチ丸さんの紹介動画はこちら

作品集はこちらです。

では早速お話の様子を見ていきましょう。

エアブラシアーティスト博多ポチ丸氏

発達障がいの診断を受けいているエアブラシアーティスト。
ADHDとアスペルガーの診断を受けているそうです。

まわりからういていた幼少期

昔から変わり者と言われ、保育園時代から浮いていた。
そして、育ての親は母方の両親、祖父母に育てられた。
じつはそこにも理由がある。後ほど話します。
両親も祖父母も教師だった。
小学校時代にも通級学級などを利用していたが、祖父母に障がいという言葉にマイナスイメージがあったためか、自分に障がいがあるという告知は受けてこなかった。

祖父母に、学校で変わっていると言われると伝えても「変わってない、それがあんたの個性」と肯定的。
そして、何をしても許してもらえていた。

しかし、まわりとの関係がうまく行かず、小学3年生のとき、不登校となる。
仲間はずれにされていると感じた時期があった。

絵を描くのが好きになったのは小さな「恋」から

キッカケは通級学級で絵などを描いているとき。
好きだった女の子から絵を褒められた。
そこから絵が好きになった。
いつも周りに迷惑かけまくってたので、人に喜んでもらう、はじめての体験、それが「絵」だった。

仲間との出会い

中学3年生でも不登校になる。
まわりと合わない。
僕が伝えることが伝わらない。
ずれている。
今でもそうだが、人と何かをするとき、ズレてしまう。
人とのズレ、毎日毎日、理解してもらえないことに傷つき、いらだち、衝突し、仲間はずれにされる。
そして、学校へ行かなくなった。

その時、祖父が「好きなことをしていいぞ」となり、町のゴルフ場で練習をしたりしていた。
そうして、街に出ていると、同じように学校に行けていない奴らと出会うことになる。
いわゆるヤンキーな仲間だ。
そんな彼らは、自分のことを受け入れてくれた。
妙に話が合う。仲間はずれにされない。
そして、彼らはかっこよかった。

そこから、いわゆる不良仲間との付き合いが始まる。
夜は帰らない、未成年者での喫煙飲酒あたりまえ。バイクで警察につかまる。
祖父母に対しても激しかった。

ある日、悪友に呼ばれて出て行こうとしたとき、祖父に止められ。
「うるせー!もう出ていく!」と言うと、祖父は「出て行け!ちょっと待て!と言って、ガソリン代5,000円をくれた。
普通はありえないでしょ?
そんな祖父母が大好きだった。
そんなふうに小学校、幼稚園の時から味方してくれていた。

実は、母親は統合失調症。
とても精神的にマイナス思考だ。
そんな母親は祖父母に厳しく育てられた。何をしてもだめ、有名な大学に入りなさい。 
そんな母は祖父に何も話せない。失敗が怖くて話さない。 
その反動もあるのだろうが、祖父母は自分には何をやっても叱らなかった。

人生を変える出会い“ボクシング”

大牟田から福岡に出てきたのが18歳のとき。
祖父の手配などにもより、絵で短期大学に入学できた。
しかし、無気力だった。
毎日朝帰り、遊びまくって太り太りまくっていた。
遊びに遊び、遊び疲れた、お金もない。 
そうなると無気力。およそ一ヶ月、ひたすら寝まくった。暇。。

そんな生活をしているとき、彼女に「太り過ぎ、痩せないと別れる」と言われた。
当然だ。自分でも落ちるところまで落ちたなと思っていた。
ここで何かをかえないと。
そう思って、やったことがボクシング。
フィットネスジムでも良かったが、「ボクシング」に憧れもあった。

今まで逃げてばかりだった自分を変えたい、ボクシングという厳しいスポーツへのあこがれとともに、なにかしら自分で決めたことをやろうと思った。
門をたたいた福岡ジム。チャンピオンなども排出しているジムだ。
持ち前の図々しさから会長に気に入ってもらえ、合宿などに参加していくうちに、ジムの会長から試合やってみないか、と言われた。 
その時の名言「夢というのは、目標を持てば叶うもんだ」。と会長。
夢?
その会長は息子さんをチャンピオンに、その他の選手もチャンピオンにしてきていた。
なるほど、説得力がある。
わかりました。やります。
ということで、やってみた。
すぐに申し込んで、やり始めた。。
期日は決まっている、目標は優勝。
そう決まってきたら、やることは決まってくる。
目標達成のために小分けにして、やることを潰していく。そうやって言ったら。。
優勝してしまった。

このとき、人生の中で、自分の中で誤作動が起きた。
「ゆめをもって、進めば、ゆめは叶う」。
夢は小分けしたら叶うんだ。

そこから、トントン拍子に運命が変わった。
大学から進学のオファーが来た。
そして大学へ進学。

そこでも会長から「目標を持て」と言われた。
ボクシング以外で目標を持て。

みんなが笑うようなことでもいいから、目標は探すもんだ。

その時、「学校の先生」を思った。
親も祖父母も教師
ただ、、無理だろうな。
そう言うと、会長は「いや、やれると思うよ。だって、やったら取れるようになってるやないか。
教員免許は取れるもんやないんか?」

小分けしてやったら、教員免許とる、そのことを地元の友だちに話したら 
「お前馬鹿じゃないの?いままで何やってきたかわかってんの?」
そりゃそうだ、学校生活に馴染めず全く逆のことをやってきたのだから。

でも、その時の自分は昔の自分とは違っていた。
誰かが無理だといった。そんな事いちいち考えない。
やりたいとなったら、想像して、やったらいい。
信じるのは、自分。

そうして、教員免許も無事合格した。そうすると、別れた父親から連絡が来た。
「自慢の息子だ」と言われた。
自分が警察に捕まったとき、「自分に息子はいません」と行っていた父親からそう言われた。

「人ってこんなに変わるの?と思ってしまった。
自分が変われば周りなんて勝手に変わってくれる。
そう思ったキッカケでもあった。

予想しなかった“挫折”からの“自立” 

大学でもバンタム、フェザー、ライト級でチャンピオンになり、順調に戦績を重ね、いざプロボクサーになるためのテストを受けるという段階になった。
テストを受けるためのドクターチェックで、脳に嚢胞がある事がわかった
脳内出血を起こしたこともあった。
嚢胞があるということで、プロにはなれないことが確定してしまった。
「いやいや、ふざけんな!」
タイボクシングであればできる、という情報を得て、タイでやる!と言ったとき、
祖母が泣き崩れ、やめることを懇願された。
そこで、諦めることを選択した。

ボクシングを手放したら自分に何がある?
「教員免許をとったんだから教師になれよ」みんなそういった。
実際に、講師も務めた。
通信制の学校で美術の講師もやった。
しかし、わかっていた。
自分は学校で教える先生にはなれない。
やりたいことがやれないと態度に出る。我慢できない。

その時、思ったのが、「絵」だった。
そして大学院で絵を学ぼうと思って、大学院の先生のところに行く。
しかし、「これまで絵の勉強もしてなかったし、それで食べていけるほどになるのは無理でしょう」と言われてしまう。
とても悔しかった。だから、逆に絶対やってやる!とおもった。

周りの反対はもちろんあった。
公務員は硬い。社会的優遇もある。
学校の先生になって講師 
公務員試験受ければいいやん

誰かに言われて何かをすることはできない。そういう人間。
僕の人生。だれも責任は取れない。親だって責任はとれない。
自分の生き方は、マイナスもプラスも自分で責任を持つ。
だから僕は社長になると決めた。

出だしは好調、毎日が給料日

そこからは全て自分でやっていった。
中高生の頃、バイク雑誌でみた「エアブラシ」に狙いを定めた。
意外と出だしは好調。
結婚式ラッシュ。友達が多く、いきなり月に30万円くらい稼げた。
持ち前の図々しさでイオンモールなどでも出展。

僕はその頃から大切なことを知っていた。
それは「ビジネススキルが大切だ」ということ。
お金にしていくこと、が大切であることを知っていた。

とにかく、僕がかっこいい、憧れる生活をしている社長さんに
片っ端から会いに行った。
そういう人たちが集まる場にも出向いた。
絵で食っていけなかったらら死んでしまう。
何十万するセミナーにも行った。
現金で払えない場合は分割でいいですか?と聞く。
そうやって、是が非でもビジネスをゼロから一をするを知っていくことに集中した。

やってきたことを成功と失敗に分ければ
ほとんど失敗。
でも、失敗を経験しているということが話せることが僕の一つの自慢
僕のように行き過ぎる人はあまりいない。
22でスタートし、24くらいには、月収50万くらい稼いでいた。

絵では稼げない、そう言われていた事が悔しかったから。
でも、逆にそこで稼げる方法を見いだせたことはオアシスに足を突っ込んでいる感じ。

性格すごく悪かったので、、、お金を稼げることがすごいと思っていた。
とにかく稼ぎたいと思っていた。。

25歳のとき。天神コアの物件の話がきた、勢いに乗っていた自分は店を持った。
正直、このとき「これでフェラーリ乗れちゃうな」と思った。
経営の仕方も知らなかった。
でも売上を上げれば大丈夫。。。そう思っていた。
しかし現実は違っていた。
これまで毎日現金を手にしていたが、商業施設はそうではない。
数ヶ月で支払いへの資金が底をついてしまい、物件を手放すことに。
ためていたお金がすべてパーになった。
さあ、どうする。。。

そこで選んだのが「路上」だった。
友達から「バイトすれば」とも言われたが嫌だった。今でも強烈に覚えている。
絵で食える自分に自信を持ちたい。
僕はこれしかない、という自信を持ちたかった。

きっと普通だったら、アルバイトやって一時的にお金貯めればいいんじゃない?となるだろう。

でも、僕は普通じゃない。
きっと、周りの意見も正しい。。お父さんやお母さんがいて、子どもを思って言うことも正しいのだろう。
でも、僕には僕の意見がある。
自分の人生に責任が取れるのは自分だけ。
父も母も先に亡くなっていく。自分の人生に最後まで付き合うのは自分だけ。
そんな自分の人生の選択を自分の意志を曲げてまで行うことは僕にはできない。
そう思って、やり続けてきた。

全ては自分に自信をもつことから 

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自立に向いている人はどんな人か、という話でいくと、
「変わっている人」だと思う。

実は僕は今日もアウトプットをしている、携帯でライブ配信をしています。

発達障害のマイナスにとらえている人も多いと思うが、僕は武器にしている。
ああ、こういうふうにもなれるんだ、と思ってもらえる。

まずは知ってもらう。知ってもらわないと何も生まれない。
その過程では嫌な思いもするだろう。
でもそんな事は気にしなくていい。

絵が上手い、向いているとかではなく、自分に自信を持つこと
ではどうすれば自信がもてるか?

それは、自分で自分に言い聞かせるしかない。
自分を褒めていく。
専門的な言葉では「アファメーション」とも言う。

(※アファメーションとは、肯定的な言葉を自分の内側に語りかける技術ですが、効果的に活用することによって、あなたの可能性や手にする結果を一気に高めることができます。
「肯定的な自己暗示」「肯定的な自己説得」「肯定的な自己宣言」)

俺はできる、できる、と思い続ける。

社会からは批判されてきた。あいつは頭がおかしい、変わっていると言われてきた。
人から馬鹿にされることもある、アンチな人も出てくる。
でも気にしなくていい。
結果さえだしていけば良い。失敗をいくら重ねても成功をいくつか積み重ねていけばそれが結果となっていく。
そうしていくと、アンチの人もいずれ消えていく。

目立てば目立つほど、嫌う人が出てくる。
しょうがない。ビビっても仕方がない。
ポチの事好き、という人がいたらラッキー!
常にそう思っている。

そしてもう一つ。
目立とう、目立とう、と思って発信したくらいで、認知は広がらない。
これから天神に出て、通行人に「僕ポチ丸です、ご存知ですか?」と訪ねたところで、100人中何人が知っていると思いますか?
ほぼゼロ。そのくらいのもの。
だから、数人に嫌われたからといって、気に病むことはない。
ほとんどの人が僕のことなんて無関心。
あなたのことも。
だから、他人のことなんて気にすることない。
自分がなりたい自分になるために、自分が動く、それだけ。

保護者の方からの相談が多い。うちの子もポチくんみたいになれればいいなと思うという。
でも、うちの子に無理だと思う、とも言う。
そのたびに思う。保護者の目が態度やふるまいが、こどもの夢や可能性を潰している可能性もある。
ドリームキラー という言葉。
愛があるからこそ、それが強い。

僕は祖父母に言われた。「お金に関しては一切何もしないよ」。
そう言われた時に、「そうか、なんとかするしかないな、、、」と思った。
行きていくことに対して恐怖を知った。
だから自分でなんとかしようと思えたんだと思う。

障がいがあって、ハブられたとしても、環境を変えれば良いと思う。
僕もハブられた結果、友だちができた。
そういった環境も、マイナスはプラスに変えられる。
異なる環境に逃げていい。
違う環境に行けばいい。
豚骨ラーメン、味噌ラーメン。醤油ラーメン、それぞれ嗜好が違ってあたりまえ。
向いていること、向いていないことがある。
そのきっかけづくりを僕でもしていけたらなと思う。

(リポートパーツ②につづく)

博多ポチ丸さんによるお仕事体験を2019年8月11日(日)に実施いたします! 

博多ポチ丸さんによるお仕事体験を2019年8月11日(日)に実施いたします! 
時間は13:30〜16:30
会場は福岡市中央区荒戸にあるふくふくプラザです。
詳しくは090-3415-3315(担当:中嶋)までご連絡ください!

 

【リポート①】チャレキッズ・ジョブクエスト特別企画《 ゲームリテラシー〜ゲーム依存にならないためのガイドラインづくり〜》

eスポーツとゲーム障害

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令和元年6月29日、チャレキッズジョブクエスト特別企画、《 ゲームリテラシー〜ゲーム依存にならないためのガイドラインづくり〜》、公認心理師、強度行動障害のスペシャリスト、そして福岡eスポーツ協会の皆さんをお迎えし開催。
話題のeスポーツイベントで、「依存症」、「強度行動障害」などの視点を学ぶという、チャレキッズ ならではの企画だ。

ことのはじまりは「ちょっと待った!」だった

事の始まりはチャレキッズで開催した2月のイベント、「お仕事チャレンジフェス2019」で、「eスポーツのお仕事」の企画をさせていただいた事から。
イベントでは、「eスポーツのお仕事」は大好評。多くの発達に特性のある若者が参加した。それを受けて「今後もチャレキッズでeスポーツに取り組んでいきたい!」と発信した所、、「ちょっとまった!」がかかったのだ。

発達障がいの特性とゲーム依存

「ちょっと待った」をかけたのは、NPO法人さるくの代表、長瀬慎一氏
強度行動障害の臨床におけるスペシャリスト。行動分析学に基づいたアプローチでたくさんの実績をお持ちでいらっしゃる。
氏いわく、「eスポーツがスポーツかどうか以前に、発達障害の子どもたちは依存になりやすい背景がある。安易に“eスポーツウェルカム”を唱えるのは危険だ」ということだった。

チャレキッズとしては、eスポーツを社会と接する窓口とすることで、ゲームの世界に居場所を感じている発達に特性のある子どもたちに、ゲームを通して社会との接点を作ってもらおう、という思いだったことを伝える。
その部分では氏も同意、ただし「発達に特性のある子どもたちがどのような理由で依存になりやすいかを広く知っていただくことが必要だ」という話になり、当人や支援者だけでなく、実際にeスポーツを普及される立場の皆さんにも聞いていただき、お互いに学ぶ機会を設けようという話となり、今回の「チャレキッズ×ゲーム依存×eスポーツ」というなかなか見ることができないトークセッションの企画がスタートしたのだった。

依存のメカニズムについて
今回のお話は、単に「ゲームと発達障がい」ということをテーブルに乗せても、わからないことが多い。
そこで、「依存のメカニズム」についても知見のある、ジャパンマック福岡のカウンセリングルーム「やどりぎ」より、公認心理師の谷川芳江氏にご登壇いただく依頼をした。快諾くださった谷川氏だったが、ジャパンマック福岡としては少し検討したいというお話も出た。安易にeスポーツを容認するようなメッセージになってはいけないので、どのような趣旨かを確認したい、ということで、私もやどりぎを訪問。施設長に企画の意図などを説明させていただいた。
ジャパンマックでは、依存を経験した当事者同士が語り合い、自助グループを作って依存のループに戻らないようにする取り組みを行っている。それがなによりも効果的なのだそうだ。
その上で依存のメカニズムを研究し、他の依存にスリップしないように気をつけること、周りの関係者(家族)の中に原因の根本が眠っていることもあることなどを知った。
「発達に特性があるから依存になりやすい」。そう決めつけるのも危険だが、依存に陥りやすい方が多いのも事実だ。
そのメカニズムを知ることで、気をつけるべきことも見えてくることがあるという。

谷川氏による依存のメカニズムについてのセッション 

セミナーは9時よりスタート。関心の高さを感じることができる参加者のみなさんと一緒に考えることからスタートした。

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お話は以下の内容で進行した。

1,依存症ってそもそもなに
2,ゲーム障害について
3,ゲーム障害そのとき家族は
 1)本人の気持ちの変化
 2)家族ができること

1,依存症ってそもそもなに

乱用・中毒・依存の違い、脳内でなにが起こるのか、依存しやすい人、しにくい人の違いとは?
依存症の人の心理的特徴、依存症は誰にとっても身近な病気であることなどが伝えられた。
そして、そのループに入るキッカケとして、
・苦痛を抱えた幼少体験
・ストレスの高い職場環境
・自由のない生活環境
・従属的な性格
などが挙げられるという。

2,ゲーム障害について

ネット依存・ゲーム依存の特徴
他の依存との共通点
 1)ネットやゲームに対する強い渇望
 2)1日10時間以上も続けたり、授業中・勤務中にスマホをチェックしたりするなど、行動を調整できない
 3)離脱症状はないが、ネットやゲームができないとイライラする、無気力になる
 4)耐性ができる。最初は数分で満足できても、やがて10 時間以上続けても満足できない
 5)現実の生活に支障がでる
 6)ネットやゲームのやめにくいシステム
 (他の依存症以上にやめることが難し場合も)

などがあげられる。
他にも、セミナー中に示された資料をいくつかご紹介しょう。

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3,ゲーム障害そのとき家族は

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大切な依存のメカニズムへの理解

谷川氏のお話を聞くと、「なんとなく胸のあたりでざわついていた危機感」の輪郭が見えてくる。
そして、その対策や向き合い方の基礎的知識が言語化される事で、これから先取るべき行動が見えてくる。
そこから、夫々が参考資料となっている本などを読み、知識を深めていくことが必要だと、谷川氏は伝えてくれた。

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長瀬氏の行動障害のある方への対応についてのお話 

続いては、NPO法人さるくの長瀬慎一氏のお話。
多くの発達に特性のある方の行動に向き合ってきた長瀬氏が、彼らの特徴の説明や脳機能の特徴。
それらが原因によって起る様々な行動特徴にどのように向き合うか、などのお話があった。
そして、現在のオンラインゲームというものが、いかに行動分析学的な視点からも、「抜けにくい」「ハマりやすい」構造になっているかの説明もあった。
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これには、会場の皆さんが、「なるほど!」「だから抜けにくいんだ」などという感想を持ったことと思う。
そして、長瀬氏が専門としている、行動障害が激しくなった場合の“レスキュー”のお話もあり、「そうなる前にぜひ、兆候を察知し、陥らなくて良くなるような対応を」というメッセージが伝えられた。

 (つづく)

 

【リポート】チャレキッズ ジョブクエスト 6/24(月)開催 《 障がい者雇用は企業と人材成長のビッグチャンス》

障がい者雇用を企業の成長へと導くためには?! 

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今回のチャレキッズジョブクエストは企業向けセミナー。《障がい者雇用は企業と人材成長のビッグチャンス》と題して、ASKULLOGIST株式会社福岡物流センター副センター長の坂井博基氏をお迎えした。
チャレキッズが始まった当初からお話をうかがったり、企業見学させていただいている坂井氏。
今年度はチャレキッズモデル企業(※)向けの研修においても事例を提供してくださる企業としてお願いをさせていただいた。
(※チャレキッズ法人会員企業で、障がい者雇用を通じ、よい経営環境を整えようとする企業)

8年間の歩みを通して取り組まれたこと、更に改善を図られているところなど、障がい者雇用を成功させるために必要なエッセンスについてお話くださった。

何のためにするのか?!を明確に 

アスクルロジストの福岡物流センターでは現在256名の方が働いていおり、そのうち障がいのある方が43名雇用されている(雇用率20%)。8年間での定着率は80%。
特別支援学校や支援機関からの紹介のみで、採用率は100%という実績。
もちろん、特例子会社でなく、営業利益を求められる一般企業としての実績だ。
どのようにして、この体制を築いて来たのだろう。
坂井氏によると、そこには「思い」だけでなく、営利企業としての明確な目的と目標が必要だとのこと。
たとえば

①法定雇用率の達成目的(納付金支払い・行政指導回避)
②会社のCSR活動の一環
③社長・役員の想い
④長期的な労働人口問題に対しての対策一環
⑤障がい者の方が能力が高いと判断

などが挙げられる。
①、②、③はよく耳にするが、坂井氏は④、⑤の部分がアスクルの場合は当てはまるという。

これから労働人口が減っていく中で、障がいのある方も戦力にできる企業は、できない企業に比べて採用面だけでもアドバンテージを生む。その他にも、機能的な価値(サービスの工場、働きやすい環境)、感情的な価値(ファンづくり)、社会的な価値(ダイバーシティ、インクルージョン)など、多くの付加価値を生むことになる。だからこそ、早めに取り組むべき課題だ。
それが坂井氏が障がい者雇用をおすすめする理由だ。

ではどのようにして「採用率100%、定着率80%、毎年雇用を継続」が可能になっているのだろうか?
坂井さん

一貫した育成体制

障がい者雇用を成功させるポイントとして挙げたのは、「実習を何度も行うこと」
関係性を構築している、特別支援学校や就労支援機関が、まずは「この人ならアスクルで働けそうだ」という見立てを行い、人材を紹介。
そこから、福岡物流センターでは、採用に至るまでに3回ほど実習を行う。

そして、その実習期間中に、いろんなことを体験してもらい、「好きなこと」や「できること」を探っていき、「できること」は伸ばしていくよう取り組んで行く。

そして、実習後は毎日反省会。密なコミュニケーションを図り、「障がい特性」ではなく、「その人個人の力量、適正、関心」を知ってくことにフォーカスするのだ。

 大切なのは「なぜ?」 

もう一つ大切にしているのは、「なぜ」を考える癖付けだという。
実習が始まる前に必ず、「何のために実習をするのか」というWhyを意識してもらうようにする。

多くの実習生が、最初は決まりきったように「仕事をがんばるため」「挨拶をしっかりやる」「まじめにがんばる」といったことを目的としてあげる。
しかし、実習の目的はそれぞれ、段階により違うはず。
今の自分にとって「なぜそこにいるのか、なぜ取り組むのか」を自分なりに理解した上で取り組んでもらえるように、最初の動機づけを大切にしている。

そして、実習を終えたときには次の実習までの「課題」を与えて、次回への目標や目的を持って帰ってもらっている。
この流れを繰り返していくうちに、本人にも「働く意味」「目的」「働きたいという気持ち」が備わっていき、気がつけば
「この会社ではたらいてこんなふうになりたい」と思いながら入社できるようになるのだ。

 実習から採用までの流れは以下の通り 

特別支援学校インターンシップ事前面接打合せ

インターンシップ事前 本人面接

インターンシップ開始

期間中、毎日反省会の実施
・体験教育の実施(特性確認、興味のある作業の探り)
・保護者参観
・最終火大反省会、記念品贈呈
インターンシップ期間終了
↓(上記を3ターン)
採用面接

採用 入社前事前説明会
入社式

大切なことは「安全と安心」がきちんとできている状態を作ること

「安全安心」という言葉を最近良く耳にする。
人が心をゆるし対話ができる状態、という意味で使われることもある。
しかし、一つ一つの言葉を考えると、場合によっては並列に語ることができない場合もある

言葉の意味を考えてみると、『安全→safe』、『安全状態 →safety』。
safetyは「 許容できないリスクがない、許容できないリスクからの開放」と訳せる。

つまり、「どこまでが許せるのかの基準を設ける」ことが大切だ。

続いて「安心」は「peace of mind」で「心理的に幸せ」な状態。
心理的な安全性が担保されていることが安心だ。

そういった関係性を築くためにやっているのは、『密なコミュニケーションをとる』こと。

安心安全な環境の実現を目指して

例えば、反省会は毎日行う、定期的に支援者会議を行うなど。
雇用側だけでなく、就労側にも参加してもらうことを大切にしている。

そのため、家族にもお越しいただいての共有会を行っている。
家族と支援者と一緒に相談しやすい環境を作ることを心がけている。

その上で、褒めることは褒める、改善してもらいたいことは注意し、コミュニケーションを取りながら状況の理解を得ていく。

最初は坂井氏一人で地道にコミュニケーションをとっていたが、
企業内外での支援の輪を広げていくことで、安心な環境も充実してきている。

今では、学校や産業医や保健師などの専門家などとの連携も生まれていっていて、どんどんとその輪が広がり安心のクオリティは上がってきていると感じている。
また、毎日の反省会ができなくなっても交換日記などを用いて、反省会を行わクてもコミュニケーションが取れる状態を担保したりもしてる。

「ななめの関係」をつくる

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もう一つ、安心の材料として効果を発揮しているのが「ななめの関係」。
つまり「先輩・後輩」の関係づくりだ。
縦の関係(親・上司)、横の関係(友達・同僚)とはまた違う、ななめのかんけい(先輩・後輩)がいることで、
言葉遣いや規律などについての継承が行われる他、「あこがれ」や「目標」となる存在ができる。
さらに、後輩をしどうしていくことで自身の行動に規範が設けられていくことも大きなポイントだ。
「がんばればあこがれの先輩のように仕事ができるようになる。お給料もあがる」。
そういう目標と「安心」を得る。
そして「自分も後輩に慕われるせんぱいでありたい」そう思う関係がコミュニケーションの能力を向上させるのに役立っているという。

毎年続けることで安心が高まる

安心状態を作り出していくためにも、雇用を毎年継続しているという。
毎年雇用することで先輩ができ、後輩が生まれる。
その中で、頼れる人、コミュニケーションを取れる人、助けを求めることができる人が増え、支援の輪も充実してくる。
さらに、彼らの能力により業績も上がる。
そして、助成金を活用することもでき、利益貢献もできる。
続けることで、「悪いことが何もなくなっていく」のだという。

8年前、「将来は30人を雇用できる環境づくりを目指す」と宣言し始めた障がい者雇用だったが、スケジュールも効果も想定通り進んでおり、雇用規模にいたっては当初目標を越え、42人を採用するまでになっている。

平等と公正 

もう一つ大切にしていることは「平等と公正」ということだ。

・平等な評価
・平等な給与
・平等な機会
・公正な指導
・公正な環境

アスクルでは、障がいのあるなしに関わらず、同じ仕事をしている従業員は同じ評価軸、給与、機会を実現している。
そのため、障がいのある方のほうが評価が高く、給与の上がり方が良い、ということも起こり得る。
実際にそういう事例もある。
役職についても、障がい者雇用枠で採用された方がリーダーとなり、健常者の方々に仕事の支持を与える立場になる人も出てきている。

そして、指導についても公正な指導、環境を敷くことを大切にしている。
合理的配慮のもと、仕事がやりやすいように改善をしていく。
そうすることで、社内全体のミスが減るという効果も生んでいるという。
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特性を活かすといいますが、、、 

実は現場のスタッフは、其処此処に配属される障がい者雇用で入社したスタッフの障がい的な特性を知らない。
それは、必要ないから、だという。だからあえて知らされない。
障がいの特性ではなく、常に「個々と向き合う」という姿勢を重んじているため、障がいの特性や症状の勉強をするのではなく、ひとりひとりと付き合いながら、その特性を見極めて、その人ならではの「好き」や「得意」、できること、やりたいこと、難しいこと、嫌いなことなどを把握していく、それは障がいの有無にかかわらず、どの社員にも行っていかなくてはならないことであり、必要なことだと坂井氏は言う。
そのような難しい勉強は必要なく、「いかに本人から話が聞ける環境が整っているか」が大切だという。

そういった環境を整備する上での社員の理解などについても、冒頭で話した「何のために障がい者雇用を促進するのか」という理由が明確で、企業利益に家内、職場環境改善に役立つということがはっきりしているため、どの社員からも不満ができることはないという。

覚悟が必要

継続して、拡大してこられて、「良いことばかり」とおっしゃる坂井氏だが、
「いいことづくめではありますが、そんなに簡単なことではないことも忘れないで下さい」
と釘も刺す。
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ここでは紹介しないが、
現場から「もう勘弁してください」と言われるような失態が続いたこともあったそうだ。
その時はなぜそんな事が起こるのかがわからなかったが、考えてもわからないことは「聞く」という姿勢で対応する。
対象者の通っていた学校の先生や支援機会にSOSを発信する。
そして、「勤務時間を減らしてみて下さい」「保護者の方で対応してみます」
そのような回答を得て、問題行動が収まったこともあったそうだ。
そこから導き出された坂井氏の答えは「わからないことは聞く」だ。
考えてもわからない。問題は簡単に解決しない。、
そもそも解決などはしない。
どう対処していくか、どう問題がおこらないように整備していくか、が大切であり、その対策を「し続けること」に対して
「覚悟」が必要だという。
その時に、孤立しがちな障がい者雇用の担当者を一人にしないよう、企業内外でSOSを発信し受け止めてもらえるコネクションが重要な役割を果たしていく。
一企業、一担当者で抱え込むのではなく、広くネットワークを築いていく。その体制こそが安全や安心な環境を叶えていくのだ。

バリアをバリューに

次々に生まれる課題に向き合いながらも、覚悟を決めてやり続けることで、得るものも付加価値も大きいとおっしゃる坂井氏。
その段取りをきちんと踏んでいくと、企業や本人にとっての成長も多くあるという。
その考え方や工程を、論理的にわかりやすく説明いただき大変参考となった。
今回参加したチャレキッズのモデル企業からも、現状の課題や目標などのシェアが有り。
会場からも福祉や就労移行支援事業所に求めるものは何か、といった具体的な質問も寄せられ、
“具体的なアクション”へのヒントが詰まった講座となった。
今回の内容を是非、チャレキッズのモデル企業とも共有しながら、実装へのステップへと進んでみたいと思う。

 

《リポート 》チャレキッズモデル企業向け高原浩氏特別研修会 

障がい者雇用を成功させるための要素を濃密にレクチャー

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チャレキッズ では今年度、1社でも多くの、一人でも多くの就労、雇用へと接続する実績を作ることを目標に掲げています。
その目標達成のため、チャレキッズ の法人会員企業の中から、「障がい者雇用を具体的に進めたい」とお考えいただけている企業を「チャレキッズ モデル企業」と位置づけさせていただき、雇う側も雇われる側双方にとって適したマッチングになるような研修や取り組みを行なっていきます。

そのためのセミナーや企業見学会などを企画していくのですが、今回の特別研修会もその一環です。

「飼い殺しさせないための支援」と言う本の著作者、東京で就労支援事業所を展開する株式会社フェスティーナレンテの代表取締役、高原浩氏をお招きしての特別研修会です。

実直に積み上げてこられた支援のお話

私が高原浩氏の存在を知ったのはSNS上で知人がシェアしていた記事からでしたが、そのタイトルのインパクトに惹かれ、すぐに書籍を購入。
読み始めて、その文章の面白さ、知ることがなかなかできない支援の現場のお話、その支援の内容と結果、さらには、高原氏の経験や学ばれたことから得られた思想や哲学、そこに裏付けされた支援の内容と結果に「ぜひお話を伺いたい!」と思い、東京を訪れた際に事業所まで訪問したのがきっかけでした。
現場も拝見させていただいたのですが、そこで行われていた、作業を通して学んでいくと言うスタイルに一貫したものを感じました。
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また、高原さんのお話や文章には、様々な古書や哲学の内容が引用され、とても読書家でいらっしゃる。
だからでしょう。文章にひきこまれてしまいます。
そんな高原さんのお話をぜひ、チャレキッズ モデル企業の皆さんにも聞いていただき、学びとしていただきたい。
そう思って、今回、「高原浩氏特別研修会」を実施させていただきました。

参加いただいたのは、チャレキッズモデル企業の皆さん 

今回、チャレキッズモデル企業となってくださっているのは、これからしょうがい者雇用を始めようとお考えの企業、最近始められた企業、現在雇用を継続しているが、よりブラッシュアップしたいと積極的に考えてくださっている企業の皆様です。
そこに、講師企業として、株式会社障がい者つくし更生会、ATUホールディングス株式会社、アスクルロジスト株式会社という一般企業で障がい者雇用を実践されている企業に参加していただいています。

会場をご提供くださったのは、株式会社56フーズ・コーポレーションの「シカゴステーキ・オーロラ」。
ブッフェスタイルで美味しいお肉とお野菜がいただけるお店です。

ランチとして贅沢なお肉と新鮮野菜をいただき、そして前半講義、後半トークセッションと言う形での研修会を行いました。
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第一部は障がい者雇用の基礎知識

前半の講義では、障害者雇用を企業が行う上で知っておくべき内容を紹介。
日本における、障害者雇用の現状、今後、障害者雇用の制度、助成金の仕組み、合理的配慮について、採用の手順などについて講義を受けました。
その中に出てくるのは「適職場」という考え方。

適職場の要件とは

①責任を負って任される仕事があること
②職場が「彼、彼女がいることで、助かっている、貢献してもらっている」と感じられること
③本人が「職場に貢献している」という感覚を持てること。

と髙原さんはおっしゃいます。
そうなるためには、採用される側だけでなく、どちらかというと、雇用する側にその環境を整備する必要があると思われるのです。
環境が整備できていれば、適切な支援を受け、訓練を積んできた方であれば、支援機関の見立て通りのパフォーマンスが発揮できる。
また、「支援側でしかできないことと企業側にしかできないことがあります」ともおっしゃっていました。
それぞれの支援範囲で環境や訓練を整えて、共に成長する仕組みが必要です。

第2部 座談会  

第2部はそれぞれの企業の現状をテーブルに広げ、その悩みや今後の方向性、迷っているポイントなどを挙げていただき、アドバイスを共有する、というスタイルで進めました。

飲食店経営企業

最初の共有は飲食店を経営する企業。
現在200名を超える従業員がいらっしゃり(アルバイト・パート含む)、障がい者雇用を通して、人材育成や社内環境のブラッシュアップを図りたい、というご要望をお持ちです。これから障がい者雇用を考えていきたい、という段階です。
質問は

「とりあえず、思い切って採用してみたいが、そういった「まずはやってみよう!」という手法はありなのか」
「雇用の際には、調理の下ごしらえ的なものを想定しているが、できれば店舗に立ってもらうなど、接客の部分にも挑戦してみたいが可能か」
「調理場は刃物や火、油など危険なものがたくさんあるが、精神障がいのある方を雇用することはできるのか」
「従業員たちに彼らのことを学んでもらうための仕組みやセミナーなどはあるのか」

というものでした。
高原さんからは、

社員教育として、また社内風土の改善やブラッシュアップに障がい者雇用が有効であることはすでにたくさん事例が出ている。
例えば、ユニクロ。障がい者が店頭に立つことで、ホスピタリティがぐっと上がったそうです。
ユニクロの障がい者雇用について
なので、ぜひ取り組んでいただきたい。

また、障害の種別で言うと、知的な障がい・精神的な障がい、どちらのタイプでもその方の個人のスキルや特性に合わせて、考えていただければマッチングできると思います。
飲食店のフロアなどで知的障がいのある方や精神障がいのある方が活躍されている企業やお店はいっぱいあります。もちろんキッチンも同様です。
大切なのは、個人ときちんと向き合うことです。
精神の方で、気分や体調が安定しないという方については、超短時間などからはじめ、リスクヘッジをしておくこと。
そして、そういった方々への声がけや対応などについては、社員や調理人の皆さんに理解してもらい、普段はしないかもしれない配慮や声掛けをしてもらうことでクリアできる。それがより良い職場づくりにもつながっていく。

そして、そのための研修という意味で言うと、これは自分たちで企画するしかありませんとのこと。
※これについては、(チャレキッズとしては)今回のような研修をより企業毎にコンサルティングしていき、適職場となれるお手伝いをしていく考えです。

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その他、支援機関などを利用して、障がい者を受け入れるのはどうか、などの質問も出ましたが、そこに関しても支援機関とのタッグの前に環境を整えること、そして、実習などを通して学んでいくことをおすすめされていました。

社会福祉事業を展開する企業

続いては、福祉事業を営む企業。高齢者を対象とした福祉事業所、児童を対象とした事業所を展開されていらっしゃいます。

障がいのある方の雇用にもまだ積極的には踏み込めていない。
その理由として、社員全体の意識として「障がい者雇用によって企業価値が上がる」、「職員の意識が変わる」という効果についてまで考えられていない。
さらに、障がい者雇用については、過去に苦い経験があったと。
それは、以前、しょうがい者雇用についての段取りなどに知識がなく、適職場という考え方も持っていなかったので、社内のコミュニケーションが行き渡らず、1年経たずで離職されてしまった。
失敗経験が「やっぱり障がいのある人は難しいよね」という空気になってしまっていること。
なので、まずは職員が障がいのある方を理解するために、指導する立場の人間が知識を得て、目的や目標を持って落とし込んでいかないといけない。

現在雇用を継続されている方についても、適職場とはなりきれていないと思う。

そういった経験から、しょうがい者雇用に積極的になりきれない深層心理が働いているかもしれない。

サポートしてくれたジョブコーチも人によって支援の質がバラバラ、丁寧な人もいればそうでない人もいる。
現場の人間がその変わりを担うのは難しかった。
全体の体制をまずは整えることが大切だ。

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高原さんのコメント

障がい者雇用にはお金にならなくても良いことがたくさんある。
例えば、知的障害の清掃チームが福祉施設で働いていることで、高齢者のみなさんが清々しい彼らの挨拶などに救われる。
職場の雰囲気は、障害のある方がいることでよくなる例はたくさんある。
仕事の切り出しでいうと、清掃、事務補助、送迎などもある。
精神の方を雇用する場合、ドライバーなどであれば、薬を飲んでいるので、そのことが業務上支障があるかどうかは、ドクターとの相談、判断を仰ぐことが必要。
高齢者の施設で言うと、ベッドメイクなどにも従事できるが、知的で自閉症で、ということになると、一人での判断が難しい場面もあるので、必ずペアで回るようにする。
業務士、電球交換、車両洗車、直接の介護にはかかわらない、という事例もある。

講師企業からのコメント

うまく行かなかった事例を、その経験を、他責にして引きづらないほうがよい。
地元の支援学校に行っても、できそうな人はたくさんいます。
障がいのある若者が施設にいて、元気に挨拶をして仕事をする姿。
その姿に高齢者がどれだけ癒やされるだろう。彼らがいること自体をプラスに替えられるかどうかは、経営者が意識して行うかどうかだ。
それを、法人の付加価値としていけるはず。
プロとして高い技術がなくてはできないこともあるが、そういうことが見つけられる福祉事業所と見つけられない事業所とでは違い出てくる。
それが見つけられる事業所が今後生き残っていける。
彼らとの職場づくりが、我々が考えるチャンスとなる。成長するチャンスとなる。
できない企業はできない理由を見つける。できる企業はできる理由を見つける。
自分たちが発想の転換をしなくてはならない。

方法としては、一つの良い事例を作る。そして、どうしてそれが「うまくいったのか?」その理由を見つける。
うまくいった理由を見つけ、できた社員を評価する。
評価に乗せていく仕組みを作ることで、他の社員が「なるほど、やると評価されるのか」となる。
そして、お客さんや利用者が組織が評価さ、「なるほど、こうやってお客様からも評価されるんだ」と思うようになる。
それらの価値を見いだせるか。

他所と違うことをしようとすると、我慢することが必要な時間が出てくる。
変化していくことを「待つ時間」、会社として待つ時間を作る。

また、うまく行った店舗とうまく行かなかった店舗の違いを考える。
違いが問題点顕在化のチャンス。
それを狙って、狙うつもりで彼らを雇用するというくらいの意識が合っても良い。

この後も住宅メーカーや事業プロデュース企業の共有も有りましたが、今回は割愛させていただきます。
チャレキッズの法人会員企業向けには、動画で情報を共有させていただきますので、そちらを御覧ください。

最後に高原さんから

今回、「飼い殺しさせないための支援」という本がキッカケで呼んでいただきましたが、結構、企業の方も購読してでくださっていて、感想をもらうことがあります。
その時に「うちの社員のこと書いてない?」とよく聞かれます(笑)。
そのくらい、本に描かれている人々は、多くの社員に通底するものがある。
それは、私が「人を描こうと思っている」からだと思います。決してしょうがい者を描こうとは思わない。
そうやって人を描こうと書いていくと、「うちの社員のこと?」という感想が返ってくる。
職場は人付き合い、どういう相手であろうと人付き合い。だから人を見ようとする。

きちんと支援をしていくために、対象者の情報をとっていく。情報に振り回されないようにするために情報をとるんです。
「この人には麻痺がある」ですとか、「これまで職場を転々としてきている」とか、そういう事にとらわれないために、情報を仕入れる。
そこを勘違いしている人が多い。情報に振り回されてしまうんですね。

そして、もう一つ。
行いや事象に反応してはいけない。「この人が何を言ったか、やったのか」に反応してはイケナイ。
「なぜそのようなことをやったのか?」を考え分析するようにする。
やったこと、言ったことは表層のこと。どうしてその行動、発言に至ったのか、その本質を分析することを心がける。

「御本尊との付き合いする」ためには、なんでこういうことを言ったのかな?ということを考えないといけない。
自然とそういう習慣付けをしなくてはならない。
そうやっていると、「どうしてこういう事になったのかな?」という風になっていく。
質問のクオリティが上がってくる。

研修の時に、「どうして彼がこういうことをするかを考えたんですよ。1番目に思いついた理由、2番め、3番目。そこから1番目が主な理由になっているのではないかと思うんですが、どうでしょう?」という質問のカタチに変わる。
そんな企業にみなさんがなっていくことを期待しています。

今回、髙原浩さんにお越しいただき、積まれてきた実績から様々な知見を与えてくださったことに感謝申し上げます。
チャレキッズとしても企業の皆さんと単なるセミナーではなく、膝を突き合わせて深く語れたことは、「障がい者雇用できる企業を生み出す」という
目標への新たな一歩になったと思います。
また次回、各企業の進捗が報告できるよう、取り組んでまいります。
ありがとうございました!

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2019-06-21 | Posted in blog, スタッフブログ, セミナーNo Comments » 

 

【リポート】「叱る指導」はもういらない?!~行動分析学で読み解く“行動のホントの理由” とその対応~ セミナーレポート

今年度最初の保護者・支援者向けセミナー

令和元年5月19日(日)9:00〜11:50、福岡市中央区荒戸にある、「ふくふくプラザ」で、今年度最初のジョブクエストを開催いたしました。
昨年までセミナーの取り組みを「ジョブスタディ」としていましたが、より「探求する」という意味合いを込めて「ジョブクエスト」と名称を改めました。「働く」事について探求することで、人生において大切な様々なことが見えてくる、という意味を込めています。
また、今年は「企業向け」のセミナーと「支援者・保護者向け」のセミナー双方企画し、それぞれの観点や学びを深めていきたいと思います。
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応用行動分析学を学ぼう!

今回の講師は  応用行動分析学を用いて、数多くの生徒を導いてこられた、大野城市立大利小学校教頭の朝倉博実(あさくら ひろみ)先生です。

私が行動分析のお話に出会ったのも朝倉先生のセミナーでした。
行動分析学は、《人間を含めた動物全般を対象として、行動の原理が実際にどう働くかを研究する》学問です。
以下、朝倉先生から受講者へのメッセージです。

 発達に特性のあるお子さんに向き合う際に、うまくいかないことやこだわり、失敗や失態についての 原因を
『やる気がない』『学ぶ気がない』『消極的だ』『分かってない』など『心』に求めることはありませんか?これ
らは全て行動を評価しているだけで、問題解決にはつな がりません。
 今セミナーの理論的基礎をなす『行動分析学』では、行動の原因を個体内部に求めるので なく、個体を取り
巻く外的環境 に求めます。行動分析学は世界各地で、教育、介護、医療、ビジネ ス、スポーツ、家庭問題など
様々な現場で応用され大きな成果をあげています。 このセミナーを通し、新たな視点で対象となる方々を見つ
めることで、今必 要な支援のヒントをつかんでいただければ幸いです。

このコメントに集約されていますが、私達はとかく人々の行動を「心の問題」と捉えがちですよね(^ ^;)

しかし、「原因は環境にある。刺激となる環境要因を変える、取り除く、加えることによって、行動が変わる」ということを知った瞬間は本当に目からウロコでした。

なんとかしたい、そう思っている方々からすると、心や血液型や遺伝等といった、「変えることができないもの」を理由にするのではなく、環境を変えることで結果が変わる、となると、俄然希望がわきます。
行動分析学はそんな希望に満ちた学問なんです。

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ラベリングと「医学モデル」の落とし穴

〜以下、テキストより抜粋〜

行動の原因を指し「意志が弱い」「行儀が悪い」と言うのは、ある具体的な行動に対してつけられた「名前」や「ラベル」と言えます。行動に対してラベルを貼ることは「ラベリング」と呼ばれます。
ラベリングの危険性は行動にラベルを貼るとき、多くの場合、人は無意識に「こころ」を想定し、その「こころ」が問題行動を引き起こしていると考えてしまうことです。
そういった、心の中の問題とか、血液型とか、次男だから、末っ子だからとか、年齢とか、「操作できない変数」を考えることは、目の前の行動の問題を解決する上では、全く無意味なのです。

行動分析学では、「環境要因」が「行動の原因」となると考えます。行動が周囲の環境にもたらす「効果」の観点から行動の原因を探ります。最も重視すべきは、「行動随伴性」を見ていくことです。

●なぜ行動問題が生じているのか。
●なぜ指導が進まないのか
●どうすれば問題行動を減らして、指導目標を達成できるのか。

などについて、色々アイデアが浮かんでくるようになります。

行動には全て先行刺激があります。そこで、出現させたい反応や行動が、行動レパートリーにない場合は、いくら先行刺激を出しても行動は出現しません。
まず、行動レパートリーを増やすことが先になります。そして、後続刺激で適切な行動の出現を安定させていくことになります。

行動随伴性

朝倉先生のお話の中には、専門的な言葉がたくさん出てきます。
事前に知っている方でしたら、分かると思いますが、初めて聞く方には少々難しいかと思います。
例えば「行動随伴性」という言葉。
「随伴」とは、「ある事につれて、他のことが起こる」ことです。
行動にともない、起こってくる事、つまり、行動を起こすことによって起こってくる事柄が常に関連付けられていることです。

随伴性

① 最初の状態から、行動を起こした結果が自分にとって良いこと(好子)であれば、その前に起こした「行動」が「強化(繰り返される、強くなる)」されます。
② 最初の状態から、行動を起こした結果が自分にとって悪いこと(嫌子)であれば、その前に起こした「行動」は「弱化(繰り返されにくくなる、しなくなる)」されます。

①を好子出現による行動の強化
②を嫌子出現による行動の弱化

といいます。
同じように、行動によって結果がなくなってしまうことによって「行動」の随伴性が変わるパターンもあります。
①好子消失による行動の弱化
②嫌子消失による行動の強化

です。

このサイクルを3つの段階に分けたものを三項随伴性といい、考え方の基礎としていくのです。

今、私もこの記事を書きながら整理しているようなところもあるのですが、詳しく学びたい方はぜひ、朝倉先生オススメの杉山尚子さんの
「行動分析学入門」

を手にとって見て下さい。
とってもわかりやすく、スラスラ読める内容です。

行動の見方が変わる

行動分析学の手法を知ると、行動に対する見方が変わります。
それは、発達に特性のある方への対応だけでなく、すべての人間関係にも言えることだからです。
社内、家庭、恋人、子育て、様々なシーンに当てはまり、行動に焦点を当てるようになるので、「無用な怒り」を抑制することができます。

特徴的なエピソードとして、「子どもを叱る」という行為についても、実は、「叱られることで、”注目を集める”」ということが「好子」になっており、その叱られる問題行動が強化されていく、というお話があります。

どうして、叱っているのにやめないのか。それはそこに叱られる子にとっての「好子」があるからです。
そうであれば、叱るのは「無用」ということになります。
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「行動のホントの理由はどこにある?」

例えば、「先生、◯◯ちゃんに突き飛ばされました!」
これに、先生が
a「なんだと!〇〇をよべ!けしからん!」と言って怒るのか。
b「なぜ〇〇ちゃんは突き飛ばすことになったの?」と聞き、突き飛ばすことになったきっかけの「スイッチ」を探すのか。そこで指導の質が変わってくる。
また、「嘘をつく子の嘘を暴いてはいけない」「暴けば暴くほど、嘘はエスカレートしていく」
そんなお話も印象的でした。

聞いて、「なるほど!」と思うのは簡単なのですが、自分でそのスイッチを見つけられるようになるには、かなりの修練が必要です。
しかし、その手間を掛けるかどうかで、指導の質が変わっていく、人間関係が変わっていく、人生が変わっていく、そうおっしゃっていらっしゃいました。

会場からの質問 

質問コーナーでは、ご参加の方からの質問にもお答えいただきました。
支援をされている方から「親御さんの意向とお子さんのやりたいこと、このギャップを埋めるにはどうすればよいか」、といった質問をいただきました。
親御さんの希望も分かるが、現在はお子さんのやりたいことを優先させてあげたい、それが彼のためになるのではないか、そう言った場合にどのように行動を導き親御さんもそのギャップが埋められるか、ということでした。
朝倉先生の回答は、「お子さんの意思を尊重し、親御さんが求めている結果はストレスを減らす形でクリアする事」という内容でした。
ここでも、対象となるお子さんへの目線、行動が大切だというスタンスを示されていたのが印象的でした。
そのうち、行動が改善してくることで、親御さんとお子さんのギャップも埋まってくる、ということでした。
それが実践され結果を導けるようになるには、試行錯誤が必要なことは言うまでもありません。
しかし、そこに向かっていくことで支援の質や技術が磨かれていくのです。

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チャレキッズのセミナーでは、「発達に特性のある子のキャリア教育」というテーマで事業を行っていますが、
関わることで得られる学びがたくさんあります。
ぜひ、今後のセミナーにも期待していただければと思います(^ ^)

ご参加くださった保護者の方、放課後等デイサービスの方、企業の皆さん、
そして朝倉先生、ありがとうございました!

2019-06-11 | Posted in blog, スタッフブログ, セミナーNo Comments » 

 

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